極寒でも平気! ホッキョクグマの「二段構え防寒システム」が凄すぎる!?【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】


ホッキョクグマは皮膚が真っ黒で毛は透明?
寒さに耐えるための毛と皮膚構造
一面が雪と氷に包まれた、真っ白な世界に溶け込むホッキョクグマ。その美しい白い毛並み、本当は「白くない」って知っていましたか?
実はホッキョクグマの毛は、なかが空洞のストロー状の構造になっていて、色は白ではなく、なんと透明です。では、どうして白く見えるのかというと、この透明な毛が太陽光を乱反射させることで、私たちの目には白く映っているのです。
さらに驚くのはその下の皮膚。これがなんと真っ黒なのです。黒は光と熱を効率よく吸収する性質があるため、寒冷地でも体温をキープしやすくなります。つまり、透明な毛で光を取り込み、黒い皮膚で熱を逃さずキャッチするという、冷たい世界に完璧に適応した、二段構えの防寒装備というわけです。また、ホッキョクグマの体には10cm以上の分厚い皮下脂肪もあり、断熱材のような役割を担っています。
一方で、ヒグマやツキノワグマの毛は、見た目通りの茶や黒の色素を含む中身の詰まった毛です。構造もホッキョクグマとは異なり、光をそのまま反射させるしくみになっています。また、暑い地域に生息するマレーグマは、毛が短く、皮膚も色が濃いめなのが特徴的です。体に熱がこもらない熱帯仕様の設計になっています。
ホッキョクグマの毛と皮膚の秘密

● 毛は透明:なかが空洞のストローではなく、色は白でなく透明。
● 皮膚は黒:皮膚は黒をしており、光を効率よく吸収し、体温を逃さない性質。
透明な毛で太陽の光を取り込み、黒い皮膚で熱を逃さずキャッチするという、寒い環境に適応した二段構えの防寒装備です。
クマの夏毛と冬毛の違い
夏毛
暑い地域に生息するクマは、毛が短く、皮膚も色が濃いめ。体に熱がこもらない熱帯仕様で、毛の生えかわりも少ない。

冬毛
寒さから身を守る冬毛のクマは、太くて長い毛が特徴。また、ホッキョクグマは毛の密度が1年を通じて高いといわれている。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司
世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。
しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。
「クマは大体力士2人分の重さ」「死んだふりは意味ある?クマに出会ったときの対処法」
「ホッキョクグマは皮膚が真っ黒で毛が透明?」「年々増加している“新世代クマ”って!?」
「イエティとビッグフットの正体はクマ?」
愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。
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