可愛いだけじゃない鳥「キセキレイ」が鳥界一の美化委員な理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

キセキレイはキレイ好き

鳥界の美化委員

胸から腹にかけて鮮やかな黄色い羽があることから「キセキレイ」の名がついたこの鳥は、九州から北のほぼ全国に生息しています。川辺や水のある場所で尾羽を上下に動かす様子から「石たたき」「庭たたき」といった異名をとります。そのかわいらしい動きや見た目と同じくらい注目したいのが、「キレイ好き」といわれる一面です。

キセキレイは、清らかな水のある場所を好んで生活します。巣をつくるときには、近くに水が流れていることがとても重要。水辺の岩のすき間や橋の下など、水音の聞こえる場所を選んで営巣することが多いのです。

その理由は、巣の管理にあります。キセキレイは子育て中の巣をきれいに保つため、雛の糞をくちばしでつまんで外に捨てたりすることが知られています。そのとき、わざわざ水たまりや川に出向いて雛の糞を捨てに行き、その後くちばしを水で洗うのです。

水辺を軽やかに動きながら、時折パシャッと水浴びをするキセキレイ。その姿は、まるで小さな鳥がせっせと身だしなみを整えているようにも見えてきます。

尾羽をいつも上下に振るのは、セキレイの仲間におなじみの行動ですが、それをする理由はよくわかっていないようです。

名前の由来は鮮やかな黄色い羽

胸から腹にかけての黄色い羽が特徴のセキレイ科の水鳥。「黄色いセキレイ」が名前の由来で、「キレイ好き」とは関係ありません。

意外とどこにでもいるセキレイ科

日本では河原や海岸など、水辺のイメージが強いセキレイの仲間ですが、世界では森林や農耕地など、さまざまな環境で暮らしています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之


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飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。

鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。

「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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