最多18種類!「くもり雲」と言われる層積雲の特徴とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】


層積雲[そうせきうん] Stratocumulus Sc
俗称[くもり雲・かさばり雲・うね雲]
発生高度:2,000m以下

ありふれた雲。だけど、とても表情が豊か
低いところに浮かぶ雲で、とくに朝と夕方に多く、夕方には日中できた積雲が崩れた「夕暮れ層積雲」がよく見られます。
雲の形や模様は多彩で、色ムラが目立ち、表情豊かな雲です。 十種雲形のなかでは最多の18種類もの細分類が存在します。
地面との距離が比較的近い雲であるため、ひとつひとつの雲片はとても大きく、立体感や圧迫感があります。
空いっぱいに覆うと重苦しい曇り空に
俗称に「くもり雲」や「かさばり雲」とあるとおり、層積雲が空全体を覆うと、どんよりと重苦しい曇り空になります。
同様に空全体を覆って曇り空の原因となる高層雲は、色や模様のメリハリが弱く単調です。 一方の層積雲は、色ムラや模様のメリハリが強く、雲に起伏が感じられ、隙間ができていることもあります。

地形や風の影響を受け特徴的な形になることも
低いところに浮かぶ層積雲は、山岳などの地形の影響を受けやすい傾向にあります。
地形性雲の代表的な存在である笠雲や吊るし雲は、十種雲形では高積雲または層積雲に相当します。

【出典】『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』著:岩槻秀明
【書誌情報】
『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』
著:岩槻秀明
季節ごとに見られる雲やレアな雲、気象予報の役に立つ雲など、科学的な観点から見る雲に加え、雲海や霧など景色として楽しめる雲まで解説する雲図鑑です。
この記事のCategory
オススメ記事

雲の距離は手のひらで測る!? 雲を見るときの豆知識!【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

写真に残すのは至難の業! 降水雲を見分けるポイントとは!?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

高層に漂うレースのような雲「半透明雲」を見つけるコツとは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

ボコボコ雲の正体は?巻積雲にできる“乳房雲”【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空に描かれたクロス模様!二重雲とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空を一様に灰色に変える、メリハリのない雲「高層雲」の特徴とは【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

青空を漂う“雲のクラゲ” その儚く美しい正体とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】
