転んで手が出なくてケガをしやすい子におすすめ!ボディイメージを発達させるためのあそび「スーパーマン」【発達が気になる子の感覚統合遊び】

あそび02:スーパーマン
こんな子におすすめ!
- 転んでも手が出ない、ケガをしやすい
あそびかた
ボールを床の上に置いて、その上に子どもが腹ばいになる
ボールの動きに合わせて手を前につく:「おてて出るかな!?」
キャンディボールの上で子どもを腹ばいにさせます。足、もしくは腰のあたりを大人は支え、体を前後にゆすってボールを転がします。転がるのに合わせて、子どもは手を床にしっかりついて前に進んだり、ボールの揺れを楽しんだりします。
効果とねらい
- 揺れに合わせて、手を前に出すパラシュート反応を引き出す
- 手で体を支える力を強化する、首をもちあげる力を促す
- 手で支えたときに体勢が崩れない力を育む
注意点
- 周りにぶつかるものがないか確認して安全な場所で行なう
- 手をついたときに、背中と床が平行になるサイズのボールを選ぶ
あそぶときのアドバイス
自分で歩き出した1歳児頃から遊ぶことができます。手を開いて床につけて体を支えているかを観察します。なかなか手が出ない子どもには、ボールを転がすスピードをいろいろ変えてみましょう。前庭覚の変化をあまり感じない子どもは、手が出ることが遅れることがあるので、大人がいつもそばについて、「おてて出るかな!?」と声をかけて遊ぶとよいでしょう。
遊びをアレンジ
片手でスーパーマン
片手はついて、もう片方の手をあげる動作を引き出します。大人は子どもの体を傾けるように支えましょう。まずは大人が見本を見せてから子どもにチャレンジさせましょう。
上向きスーパーマン
仰向けでボールにのせて、揺れを楽しんでもらいます。揺れを楽しむだけでもよいですが、仰向けでも手を床につけるようなら促してみましょう。
ここからやってみよう!
「パラシュート反応」とは、急激な動きが起こるとバランスが崩れる方向に手足が伸びて支えようとする反応です。前庭覚につまずきがあると出てこないことがあります。怖がってしまう子の場合は無理をしないこと。興奮しすぎてしまう子の場合は遊んだ後に気持ちを落ち着かせましょう。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
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