体の動きがぎこちない子におすすめ!相手の動きに合わせて体を動かすあそび「一緒に運ぼう」【発達が気になる子の感覚統合遊び】

あそび10:一緒に運ぼう
こんな子におすすめ!
- 体の動きがぎこちない
あそびかた
- 人形をタオルにのせて、ゆっくりもちあげる
- 目的地を見て、ゆっくり運ぶ(今回はお人形のベッド)
子どもが2人1組で、床に寝ている人 形をタオルにのせて、目的地に運ぶ遊 びです。 バスタオルから人形が落ちないように、友だちとタイミングを合わせながら立ちあがり、お互いの力と歩くスピードを合わせることが必要です。むずかしい場 合は大人と組むとよいでしょう。
効果とねらい
- 相手の力とタイミングに合わせることを経験する
- 力加減を調整する
- 上半身・下半身を各々調節して動かす
注意点
- 両手がふさがるので転ばないように注意する
- 同じくらいの身長の子どもどうしで組ませる
あそぶときのアドバイス
「一緒に運ぼう」は、歩行が安定した年齢から遊べます。子どもは力加減の調整をして相手に合わせることを、遊びを通して学べます。タオルをしっかり「握る」「握り続ける」ことは、姿勢が安定しなければできない動きなので、自然に体に力も入り、体幹を育む動きになります。また、手首や腕のコントロールをすることにつながるため、たとえば茶碗をもって食べるという動きの基礎にもなっています。
遊びをアレンジ
ボールを運ぼう
人形が運べるようになったら、次はボールを運びましょう。ボールのように転がって動いてしまうものは、よりお互いの力加減の調整・協力が必要になります。
みんなでボール運び
子どもを4人に増やして、タオルの四隅をもちます。さらにボールを4個にして運びましょう。
棒でボール運び
年長クラスでは、2 人で向かい合って 2 本の棒をもち、その上にボールをのせて運ぶなどの高度な遊びにもチャレンジしましょう。
ここからやってみよう!
チームで協力して目標を達成するレクリエーションゲームとなります。適切に力加減を調整したり、体の向きや腕・足の動きを調整したりして、メンバーと協力してものを運びましょう。チームワークやコミュニケーション能力を養うことも期待できます。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
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