「オレたちがロックンロールだ!」90年代、鮮烈な輝きと共にデビューしたオアシス。全世界を席巻した衝撃が再び!

わずか数年でロックの救世主に

この頃メディアが煽り立てていた「ブラー対オアシス」の対立構造を多くのファンは冷ややかに眺めていた。
バンドの勢いや影響力、世界に与えるインパクトなど全てにおいてオアシスが圧倒的に勝っている事は当時もすでに常識であり、たまたま同日リリースされたシングルの「どちらが売れるか?」などという勝敗は全く無意味な茶番だった。
結果ブラーが勝ったと言われたところで、時代を動かしていたのは明らかにオアシスだった。

やがて両者の明暗ははっきりと分かれた。
ブラーはその後失速し、オアシスは飛ぶ鳥を落とす勢いで更なる高みへと飛翔を続けた。
1996年、ネブワースにて世界最大規模のライヴをぶちかまし、25万人もの大観衆を熱狂させた彼らはその夜伝説となった。

なかでも圧倒的な存在感を放つ名曲「Don’t Look Back in Anger」は象徴的だ。
会場を埋めつくす聴衆が声を合わせ、演奏すらかき消すほどの大合唱を巻き起こす。
大海原のような群衆が陶酔した顔で一斉に歌い上げる光景を目の当たりにすると、楽曲はもはやバンドの手を離れ、聴く者1人1人の所有物となり、世代を問わず輝き続ける不朽の遺産になったのだと実感する。

デビューからわずか数年でオアシスはロックの救世主となりビートルズと同列に語られる存在にまで上り詰めた。
時代を象徴する旗手となった彼らが生み落としてきた普遍的なメロディの数々は、90年代という時代を超え未来に向かって今もなおロックンロール不滅の証として鳴り響いている。

文/ヨシダタカユキ

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【関連書籍情報】
『ROLL WITH IT Oasis IN PHOTOGRAPHS』
トム・シーハン(著)、粉川しの(監修)


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監修 粉川しの×翻訳 鈴木あかね
オアシスに実際に取材してきた2人が語り倒す!
10,000字特別対談ペーパー封入

未公開作品多数!
伝説的ミュージックフォトグラファーによる
イギリスのロックバンド、オアシスの足跡を追う
決定的フォトコレクション

トム・シーハンはオアシスと共に多くのセッションに参加。
彼らの象徴的、歴史的アルバム「(What’s the Story)Morning Glory」の
レコーディングを撮影したほか
輝かしい軌跡を作品に昇華してきた。

未公開作品を含む200点以上のショットを収録。
トム自身の手によるコメントには
当時の撮影のリアルな様子がしのばれる。
パブなどでの貴重なオフショットも。

オアシスを長年インタビューしてきた
シルヴィア・パターソンによるエッセイからは
ライブやカメラの外でだけ、うかがい知ることのできる
ノエル、リアムの素顔が感じられる。
取材時のやりとりや彼らの語り、
ふとした瞬間に感じられる2人の深い絆に
あたかも新しい彼らを発見したような気分にさせられるだろう。

これこそまさに、オアシスをデビュー前から追いかけ続け
オフショットまでをおさめた至高のマスターピースといえる。

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