チャンネル登録者数150万人超。オガトレさんの原点と、「オガトレ」誕生秘話!


新刊『ガチガチポイントに直に効く! オガトレ式最速ストレッチプログラム』発売記念・特別インタビュー(全3回連載のうち1回目)
取材・文:小林 由佳 撮影:天野 憲仁(日本文芸社)

チャンネルの原点。『オガトレ』初期は子ども向けだった?
体は柔らかい方がいいとわかっていても、なかなかストレッチを習慣化できない人は多いのではないでしょうか。新刊『ガチガチポイントに直に効く! オガトレ式最速ストレッチプログラム』は、そんな人でも“1週間で体が柔らかくなる”メソッドが満載です。その礎となるオガトレさんの経験と理学療法士としての熱意について、お話を伺いました。
――『オガトレ』スタート時はまだストレッチ系チャンネルが少なかったそうですが、運動不足や体の硬さに悩む大人にニーズがあると感じていたんですか?
「いえ、『オガトレ』を始めた頃は、子ども向けのストレッチ動画を紹介していました」
――え! 子ども向けですか?
「僕はその頃、地元・宮城県気仙沼市にある病院のスポーツ外来に、理学療法士として勤めていました。患者さんの多くは、クラブ活動などで怪我をした子ども達です。ただ、気仙沼市は病院が少ないため常に混んでいて、1時間かけて来院して受診まで2時間近く待つ、なんていうのが当たり前でした。だから、少しでも子ども達が病院に来なくて済むようにしてあげたくて、“スポーツ現場での予防”として、ストレッチの動画配信を思いついたんです」。
――確かに、都市部から離れた地域では、医療事情が厳しいところが沢山ありますね。
「病院で目の前の子達にしか対応できないことに壁を感じていたし、通院が難しくて困っている子どもは、気仙沼市に限らず全国にいるだろうと思ったんです。だから、どこからでも見られるYouTubeチャンネルを開設して、子ども向けストレッチの動画配信を始めました」
――大人より柔軟性の高い子どもでも、ストレッチが必要なんですか?
「子どもが遊びで怪我をすることは少ないんです。体育の授業やクラブ活動で競技性が加わることで、熱中し過ぎて怪我をしてしまう。子どもは大人より柔軟に動けるとはいえ、思考に体の機能が追いつけない結果、怪我をするといわれています。その原因の多くが体の硬さです。筋力を思い通りに動かせても、体が硬いと筋力の動きに追いつけない」
――体の硬い子どもって多いんですか?
「増えてます。それには生活環境が影響しているといわれています。僕の地元でいうなら、登校や塾通いを親が車で送迎することで昔より歩かなくなり、アクティブな球技を禁止する公園も増えました。スマホやゲームなど室内遊びが増えた子ども達は、どんどん体が硬くなっています」
――子ども向けにどんなストレッチを発信していたんですか?
「当時僕はサッカーのトレーナーをやっていたので、サッカー少年少女に向けて、“ロングスローインが出来るようになるためのストレッチ”とか、“怪我をしないためのお風呂上がりのストレッチ”とか。子どもの上手くなりたいという気持ちを刺激するような動画を作って、ヒカキンさんの後にでも見てくれたらなぁと思って(笑)」
――反響はどうでした?
「いやそれが、僕の黒歴史になるくらい再生回数が少なくて(笑)」
――今でこそ人気ユーチューバーなのに(笑)
「まあ考えてみれば、子どもは予防なんて気にしませんよね。そこで、子どもにウケなくても、子どもの周辺にいる大人の悩みを解決していけば、親が子どもにストレッチを勧めるだろうと思って方向転換しました。その第一回目が、“産後のママさんに向けた“反り腰解消のストレッチ”。これが好評で、次に“パパ向けの“開脚できるようになるストレッチ”を配信したら、再生回数が2500万回くらいバズったんです。大人の男性は体が硬い人が多いから、180度開脚できたらパパも自慢できますよね(笑)」
“夢は国語の先生”から理学療法士に
――オガトレさんは学生時代にサッカーと柔道の選手だったそうですね。選手の頃から既にストレッチの大切さを実感されていたんですか?
「いえ、その頃ストレッチは嫌いでした(笑)。立ったまま床に手がつかないほど体が硬くて、怪我も多かったですね。今考えれば、体が硬くて可動域が狭いためにどこかに負担がかかり、その結果怪我ばかりしていた、ということです」
――なるほど。選手時代の経験から理学療法士の道を……
「そうです……と言いたいところですが、実は全然違います(笑)僕は人に何かを教えて喜ばれることに幸福を感じる性格なので、高校時代は国語の教師を目指していました。でも次第に、“教壇に立って大勢に向かうより、1対1で教えたい”と思うようになって……。そこで色々調べて、理学療法士という道を見つけたんです。理学療法士は、与えられた時間を一人の患者さんに集中して取り組む仕事ですから」
――とはいえ、患者さんのリハビリをサポートする理学療法士のお仕事は、とても大変だと思いますが。
「いや、これはめちゃくちゃ自分に合ってる、理学療法士ってなんて楽しい仕事なんだろうと毎日思ってました(笑)。何より、患者さんが笑顔で退院されるのは最高の喜びだったし、リハビリで通院していた子どもたちがまた試合に出られるようになったとか、ともすれば、怪我の前よりも上手くなったとか、報告に来てくれることが本当に嬉しくて」
――それが『オガトレ』の源流なんですね
「全国どこからでも視聴できるYouTube配信を始めてから、“体が硬くて困っている人をゼロにしたい”が僕の明確な目標になりました。そして、皆さんに対しては常に“ご自愛ください”と思っています。ストレッチはセルフケアのひとつに過ぎませんが、ストレッチを習慣化することで自分の体を意識するようになり、食生活や睡眠の改善なども考えるようになって、皆さんの生活が向上していけば最高です」。
(チャンネル登録者数150万人超えのYouTubeチャンネル『オガトレ』ユーチューバー・オガトレさんロングインタビュー【中編】に続く)
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【書誌情報】
『ガチガチポイントに直で効く! オガトレ式・最速ストレッチプログラム』
著:オガトレ
かたさの原因を直接ほぐす「ダイレクトストレッチ」で、体は最速で柔らかくなる!
大人気ストレッチ系YouTuberで理学療法士のオガトレが考案、
1週間で「柔らかくなった!」を実感できるストレッチプログラムが登場!
1週間で驚くほど柔らかくなるから、モチベーションも続きやすく、体がどんどん軽くなっていきます。そして、続けるほどにベタっと開脚や前屈で床に手がつく、理想のポーズも目指せます。
さらに、柔らかくなるために効果的なタイミング、体をかたくするNG習慣など、日常でできるコツも紹介。
今までなかったストレッチの新バイブルです。
YouTubeチャンネル『オガトレ』 https://www.youtube.com/@ogatore