神社では、どこを見物すればいいの?境内には、さまざまなものが配置されている【図解 神道】

少し知識をつければ、境内全部が見どころになる
白状しますと、私は若い頃、神社はお寺のように仏像を安置していないし、社殿の中には入れないからつまらないと思っていました。しかし、いくつもの神社をめぐっていくうちに、その魅力・面白さに気づいてきました。今では、どんなに小さな神社でも近くを通りかかったら、お参りをせずにはいられません。
神社がお寺より見どころが少ないように思えてしまうのは、1つには神社が神様のための場所であることに由来しています(前項参照)。たとえば、参拝者が目にする社殿は装飾性が少ない質素な建築とされることが多いのですが、御神体が奉安される本殿は精緻な彫刻がなされたり、極彩色に彩られていたりします。
このように神社のことを少し知っておくと、その境内は見どころがいっぱいだとわかります。たとえば社殿の形。神明造・大社造・春日造など、社殿建築にはさまざまな様式があります。これはお寺にない神社の特徴です。その神社はどんな様式なのか、近所の神社と同じなのか比べてみるのも面白いです。鳥居の形も種類が多く、要注意です(44項参照)。
神社には仏像はありませんが、彫刻がないわけではありません。社殿の壁や梁の上などに彫刻がされていることが少なくありません。龍などの霊獣、十二支、御祭神の神話、中国の故事などテーマもさまざまです。狛犬の形・姿にもバリエーションがあり、狐などの神使の像が置かれることもあります。摂社・末社にどのような神様が祀られているのか、石灯籠などの奉納者や年代、それらから神社や地域の歴史が垣間見えることもあります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』監/渋谷申博
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷 申博
「神道には教義がないって、本当なの?」「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」神道の起源から日本の神様、開運神社のご利益まで楽しくわかる!古代から伝えられてきた日本の心──神道。その奥深い世界を57項目の素朴な疑問からズバリ解説します。「祭りを行なうのは生命力を更新するため」など、知っているようで知らなかった初耳学が満載!かわいいイラストや図解を交え、はじめての人でも神道の基礎知識がわかり、神社参拝が楽しくなるエンターテインメント雑学教養本です。
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