日本の電車史は路面電車からはじまった【眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話】

日本の電車史は路面電車からはじまった

最初の電車はアメリカから輸入した

1890(明治23)年、上野公園で開催された第3回内国勧業博覧会において、日本初となる電車のデモンストレーション走行が行われました。このとき来場者を乗せ、会場内に敷設されたレールの上を走ったのは路面電車で、車両はアメリカから輸入されたものでした。

それから5年後の1895(明治28)年、京都電気鉄道が路面電車の営業運転をはじめます。これが記念すべき日本最初の営業用電気鉄道となりました。

現在のJR中央本線にあたる甲武鉄道の飯田橋-中野間で電車の営業運転がはじまったのは1904(明治37)年のこと。路面電車ではない普通鉄道はこれが日本初のものです。注目すべきは、京都電気鉄道でも甲武鉄道でも、車両こそ国産だったものの、走行を司る機器類のほとんどがアメリカ製だったことです。

1905(明治38)年に開業した阪神電気鉄道は、都市と都市との間を結ぶ都市間鉄道(インターアーバン)の先駆けとされています。これも当時アメリカで普及していた路線体系にならったものでした。

日本の鉄道はその技術の多くをイギリスから輸入して発展の緒につきましたが、電車時代の幕開けに際しては、アメリカに多くの技術を頼っていたのです。

上野公園を走った日本初の電車

ベルリンの工業博覧会でシーメンスが世界初の電気機関車を走らせてから11年。上野公園を路面電車が走り、日本における電車の歴史がはじまったのです。

狭軌と標準軌

軌間(レールの幅)には種類があり、世界では標準軌(1435mm)が主流ですが、日本では鉄道が走りはじめた明治期から狭軌(1067mm)が主流となっています。路面電車の京都電気鉄道も狭軌を採用しました。ちなみに新幹線は標準軌を採用しています。

狭軌

標準軌

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』著:綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
著:綿貫 渉

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