【高知県】山の中でディスコ!?「お山のディスコ」で踊りまくる奇祭「奥物部湖湖水祭」に潜入!


高知県香美市物部地区で毎年8月に開催される**「奥物部湖湖水祭」。その異名である「お山のディスコ」**の通り、ダム湖のほとりで人々が音楽に合わせて踊りまくる、唯一無二の祭りです。
離れて見るとカオスな光景
頭にタオルを巻いて汗だくで踊りまくります!
一見、奇祭に思えるこの祭りには、地域の人々が大切にしてきた深い歴史と想いがありました。
慰霊と地域振興への願いが込められた祭り
奥物部湖は、かつて物部川を治水するために建設された「永瀬ダム」によってできた人造湖です。ダム建設には25名の尊い命が犠牲となり、221戸の家屋が故郷を離れることになりました。

永瀬ダム(参考画像)
工事終了後、寂れていく地域を元気づけようと、1956年に始まったのがこの祭りです。亡くなった方々の慰霊と、地域の安泰・繁栄を願う人々の切なる思いが込められています。
伝統と自由が融合したお祭り
祭りは、よさこいパレードや地元に伝わる伝統舞踊「ハッサン」「太刀踊り」からスタート。若者たちが伝統を継承する姿は、地域が大切にする絆を感じさせます。
しかし、祭りの見どころはここから。
伝統舞踊が終わると、突如として70年代のディスコミュージックが流れ始めます。これが名物「お山のディスコ」。振り付けのレクチャーは一切なく、誰もが自由に踊り始めます。バチバチのディスコミュージックから急に「お富さん」が流れるなど、ユーモラスな選曲も魅力の一つです。
盛りだくさんのコンテンツ
踊りだけではありません。ダム湖に4,000個の灯ろうを流す**「灯ろう流し」**は、亡くなった方々への慰霊として大切に続けられています。湖面に反射する幻想的な光は、静かで厳かな時間を演出します。
灯ろうの光りが湖に反射して幻想的な光景が広がります
また、対岸から打ち上げられる花火も必見です。周囲の山々に音が反響し、水面にも花火が映り込む、この場所ならではのダイナミックな光景を楽しめます。
約20分にわたって打ち上がる花火。見応え満点!

来年はあなたもダンシング!
「百聞は一見に、いや、ひと踊りにしかず」―実行委員長の宗石高広さんは「他にはない“自由”や“開放感”を実感できるところが魅力」と語ります。

会場となる物部グラウンド

出店も充実
来年の開催は**2025年8月14日(木)**です。ぜひ一度、高知の山奥で踊りまくる「奥物部湖湖水祭」に参加してみてはいかがでしょうか。