約4割が浮気で生まれた子!? 見た目と実情は違う「おしどり夫婦」由来のオシドリの生態【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

「おしどり夫婦」の由来であるオシドリは普通に浮気する

名前とは異なる実態

仲の良い夫婦のことを表す「おしどり夫婦」という言葉は、オシドリに由来するといわれています。色鮮やかな羽を持つオスと、落ち着いた色合いのメスが川や湖で寄り添って泳ぐ姿は、確かに仲睦まじく見えます。しかし、オシドリの実際の生態は、そのイメージとは大きく違っているのです。

オシドリは、春になるとオスとメスでペアをつくります。しかし、この関係は一生続くものではありません。翌年には別の相手とつがいになるのが普通で、ペアでいるのは繁殖期のほんのわずかな間だけなのです。さらに、メスがつがい以外のオスと交尾する、いわゆる「浮気」もオシドリの中ではよくある話です。

そのうえ、オスは子育てに参加せず、繁殖が終わると群れに戻ってしまいます。雛の世話はすべてメスの仕事です。というのも、オシドリのオスが派手な羽を持っているのは、多くのメスの注目を集めて自分の子孫をより多く残すためだと考えられているからです。

見た目の印象から「仲良し夫婦」の代名詞となったオシドリですが、その暮らしぶりはずいぶん自由。

鳥の子どもの約4割が「浮気」で生まれた子という調査もあるほど、鳥の世界には人間とは違うルールがあるようです。

オシドリはおしどり夫婦じゃない

翌年には別の相手とつがいになる/派手な羽を持つオスと出会いたい/子育てに参加しない/なるべくたくさんのメスとつがいになりたい

繁殖期が終わるとオスは豹変!

繁殖期が終わると、オスは「イチョウ羽」と呼ばれる華やかなオレンジの羽を落とし、メスのような地味(エクリプス)に変わることがわかっています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之


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飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。

鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。

「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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