春は青臭い、秋は濃厚!? ヒグマの“ウンチ図鑑”が教えるクマの食事メニュー【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】


ヒグマのウンチからわかる季節ごとの食事メニュー
旬を楽しむグルメ派
森に落ちているヒグマのウンチを調べると、今がどんな季節なのか、その時期に何を食べているのかが見えてきます。
たとえば、春にはフキノトウや草の新芽、タケノコなどの繊維がたっぷり含まれ、青くさく、さっぱりとした草の香りが漂ってくるといいます。夏になると、サクランボやブルーベリーなどの果実の種が混ざり、発酵したような甘酸っぱいにおいが広がるようです。そして秋にはミズナラやハイマツの殻、ブナの実の皮、サケの骨やウロコが見られ、脂分の多い濃厚なにおいになることもあるのだとか。
ヒグマは季節ごとに食べ物を大きく変えるグルメ派の動物で、そのウンチはまるで「野外レストランのメニュー表」のようなものといえるでしょう。特に、冬眠前の秋には高カロリーな木の実、魚などを重点的に食べるため、においもより濃厚になります。
また、クマの種類によっても食べ物の好みは異なるだけに、ウンチのにおいも異なります。ホッキョクグマのように肉食中心の種では、ウンチに獣臭や脂のにおいが強く残るのです。一方、マレーグマやツキノワグマのように果実や昆虫を多く食べる種の場合は、ウンチのにおいは比較的軽めで、ときには甘い香りがすることもあるといわれています。
季節がわかるクマの“ウンチ”図鑑
春
植物の繊維や葉芽がたっぷり含まれる。

夏
サクランボなどの果実の種や昆虫の羽が混ざる。

秋
クリなどの木の実やサケの骨がウンチに混ざる。

ウンチのにおいの違いを比較
ヒグマ
植物臭~生臭さまで幅広い。

ツキノワグマ
発酵系の甘いにおい。

マレーグマ
果実や樹液に近い香り。

ホッキョクグマ
強烈な肉の腐敗臭や脂のにおい。

クマによって食べるものが変われば、ウンチのにおいも変化します。
ちなみに、冬眠中は食事や飲水、排尿、排便を一切しません。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司
世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。
しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。
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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。
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