ひとり寝を教えるテクニックは2種類あります
赤ちゃんにひとりで自然に眠れるように教える方法はふたつあります。「コントロールド・クライング」と「フェーディング」と呼ばれるものです。赤ちゃんの性格や気性にあうテクニックを選び、夜からはじめましょう。夜に寝るときからからはじめると、親がそろっていることが多いので、互いが心の支えになりながら教えられるというメリットがあります。数日か数週間で、夜中に目覚めることが減り、昼寝も自然に改善されていきます。来客の訪問や外泊など、いつもどおり日課が行えそうにないとき、離乳期や母親の復職、引越し、次の子が生まれるときなど、赤ちゃんの生活に変化があるときは、教えないようにしたほうがよいでしょう。
①コントロールド・クライング
赤ちゃんの様子を見ながら、赤ちゃんを泣かせたままにしておく方法で、時間がさほどかからずひとりで眠れるように教えることができます。NAPSメソッドを実践し、昼寝のときはこれまでどおり寝かしつけます。夜は眠る前の日課(165ページ)を行い、覚醒周期が終わるまでに眠る準備を整えます。そしていつもと同じように寝かしつけますが、うとうとしはじめたら完全に眠る前に布団に寝かせて部屋をでます。
赤ちゃんは、いつもの習慣と違うことに抗議して泣きはじめるでしょうが、5分ほど待ち、泣きやみそうにない場合は部屋に戻ります。赤ちゃんの体を優しくトントンとして安心させますが、抱きあげてはいけません。そして1分以上一緒にいないように部屋をでて、また5分待って部屋に戻り、様子をチェックします。これをつづけて、「様子を見にいくことが、安心させるより刺激になっている」あるいは「だんだん落ち着いてきて眠る準備ができてきた」と感じたら、部屋の外で待機する時間を長くしていきます。NAPSメソッドを使っていれば、赤ちゃんが泣く時間は
15分くらいにできるでしょう。
コントロールド・クライングのよいところはスピードです。1日目も大変ですが、2日目は赤ちゃんが前よりも長く泣いて親の出方をうかがったりするので、もっと骨を折る場合もあります。しかし、だいたい3日目の夜にはひとり寝ができるようになります。
泣く時間を最小限にできても、この方法を実践するのが耐えがたい親もいます。もし15分たっても赤ちゃんが泣きつづけたら、部屋に戻って赤ちゃんを抱きあげ、別の日、たとえば数週間後にまた試すようにします。時間制限をしないという専門家もいますが、泣くのがかわいそうだと思う親心も理解できますし、15分以上泣きつづけたら、次の覚醒周期に入ってしまい、90分たつまで眠れなくなって、ひとりで眠れるように教えるまでにいたりません。しかし、赤ちゃんのことをだれよりもよく知っているのは親のあなたです。15分たっても、もう少ししたら落ち着きそうだと感じたら、待っていましょう。もう少しトレーニングをつづけてみるのもよいと思います。
泣きやむどころか、泣き方がどんどん激しくつらそうになってきたら、すぐにやめましょう。この方法は、あなたの赤ちゃんにはまだきつすぎるのかもしれません。また、ひとりで眠れるように教えるのに最適な時期が、少し遅くやってくる赤ちゃんもいます。そして、激しい気性や、とても社交的な赤ちゃんも、ひとりにされるのが苦手なので、この方法に向いていません。次に説明する「フェーディング」を試してみましょう。
出典:『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
【書誌情報】
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
ポリー・ムーア 著
睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。
公開日:2022.10.08