②感覚過負荷の状態にあります
このころの赤ちゃんが泣くのは、感覚に過度な負荷がかかることも原因として考えられています。子宮から外の世界へでることで、どんな変化があるか想像してみてください。赤ちゃんは暗くて静かなところから、新しい環境へと移るのです。いろいろなものが見えたり、におったり、聞こえたり、さまざまな感覚が働きます。まわりの世界から受けとる知覚情報は、赤ちゃんにとっては雑音です(72〜75ページ)。赤ちゃんはこの雑音の意味もわからなければ、自分ひとりでは雑音から逃れることもできません。
しかも、この雑音のせいで、体が眠りのサインを送ってきても、それを自分では「聞きとる」ことができないのです。赤ちゃんは親や家族の助けを待っています。赤ちゃんの泣き声が聞こえたら、スムーズに睡眠に入れるように、刺激のない環境をつくってあげる必要があることを思いだしてください。すべてを単調に整え、注意を引かないようにしてあげるのです。
静かな場所でゆらゆら揺らしてあげたり、同じ歌を何度も繰り返し歌ってあげるとよいでしょう。そうすれば、赤ちゃんは雑音や刺激でいっぱいの世界に気をとられずに眠ることだけに集中することができます。眠ることから注意がそれないように同じ調子でひたすら繰り返すのがポイントです。赤ちゃんはまわりの環境から解放されるでしょう
出典:『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
【書誌情報】
『賢い子は1歳までの眠りで決まる』
ポリー・ムーア 著
睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。
公開日:2022.12.25