怒っている相手を落ち着かせる魔法
対応する際は冷静さを保って感謝の言葉を投げかける
クレーマーをはじめ、怒っている人の相手をするのは苦労するものです。できれば避けたいところですが、必要に迫られ、対応しなければいけないときのコツをご紹介しましょう。
相手が怒っているとき、それにつられてこちらも怒り返してしまうと、互いの怒りがエスカレートするだけなので逆効果です。ここはじっと我慢して自分だけは冷静の状態を保ちましょう。このように相手のペースに合わせないことをディスペーシング(反同調行動)と呼びます。あえて同調しないことで、相手のペースに巻き込まれることを回避するテクニックです。
激昂して早口でまくし立ててくる相手に対しては、ゆっくりとした口調で対応し、自分のペースに引き込みます。その際、実際にこちらの不備があれば素直に謝罪します。ここで言い訳をするのは厳禁です。相手が怒っているという事実を受け止め、謝罪することで、相手の承認欲求が満たされ、冷静な話し合いの糸口がつかめるのです。
次に、相手の主張から感謝すべき点を見つけ、「ご指摘ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えます。感謝の言葉「ありがとう」には、反論しづらく、要求を増大させにくいという効果があります。要求がエスカレートする前のタイミングで感謝を伝えることで、比較的早い段階で相手の怒りを収めることができるはずです。
怒っている相手のペースに巻き込まれないで冷静に!
「さっき買ったおにぎりを開けてみたら具が横からはみ出ていてお箸でどうにかやっと食べられたんだけど!! これはおにぎりじゃないんじゃないっっ?」
「すごく怒ってるぞ! まずは冷静に…」
「申し訳ございません、にぎり方が甘かったのかもしれません。担当者に確認いたします」
「ま、まあこれはカバンに無造作に投げ入れた自分にも非があるかもしれないけど…」
「ご指摘をありがとうございます。包装の仕方や持ち運びの状況を考えて改善してまいります!」
【出典】『白魔法の心理学』監修:渋谷 昌三
【書誌情報】
『白魔法の心理学』
著:渋谷 昌三
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公開日:2025.03.21
