「これはっ……!」青酸カリって舐めて確認してもいいの?
毒に関するデマ情報には要注意
SNSに掲載されている情報のなかには、毒に関するものも多く存在します。たとえば、事件現場にある白い粉が青酸カリかどうかを舐めて確認するという情報を見たことはないでしょうか。これは、実際には絶対にやってはいけないことです。青酸カリは少量でも危ない猛毒。摂取すると胃酸と反応し、シアン化水素というガス(青酸ガス)を発生させます。このガスはかなり毒性が高く、頭痛やめまいを引き起こすほか、重度の場合はけいれんや呼吸困難に陥り、死に至ります。舐めて確認するなどもってのほかなのです。
また、毒キノコに関するデマ情報もSNSで多く広まっています。派手な色のキノコは危ないとよくいわれますが、ニュースでも取り上げられるツキヨタケは、落ち着いた色で地味な見た目をしています。色味だけで毒かどうかを判断することはできません。ほかにも、柄が縦に裂ければ食べられるキノコだというのもデマ情報です。柄が縦に裂ける毒キノコもあります。毒キノコに関しては、こうであれば大丈夫といった判断材料はなく、専門家に判断を任せるのが最も安全で確実でしょう。
SNSを通して、こうしたデマ情報は多く広まっています。鵜呑みにせず、本当に正しい情報かどうかしっかり見極めることが大切です。
毒物を舐めて確認してはいけない
青酸カリは少量でも危険な猛毒。舐めれば即死することもある。
特徴
・青酸ガスはアーモンド臭ともいわれる、ある種の異臭がする。
・青酸ガスはシアン化合物に属し、これはタバコの煙や自動車の排気ガス、生のアーモンド、果物の種など、身近なものにも微量含まれている。
毒キノコのデマ情報
【色味が派手だと毒キノコ】
→色味が派手な食べられるキノコや、逆に地味な毒キノコもある。
【柄が縦に裂けるキノコは食べられる】
→毒キノコを含め、多くのキノコは柄が縦に裂ける。
【ナスと一緒に煮ると毒が消える】
→毒は消えない。種類によっては調理法や食べ合わせで性質が変化するものもある。
【虫が付いているキノコは安全】
→毒キノコにも虫は付く。毒が虫には効かずとも、人間には効くという場合も。
※これらはすべてデマ情報なので要注意!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』
監修:船山 信次
日常生活のなかで、毒性のあるものを誤食したり、毒を持つ生物に触れたりして中毒症状が出たというケースは少なくありません。
スイセンやキノコの誤食など毎年のように発生しており、毒は非常に身近な存在です。
本書はまず毒とはなにかという毒の定義や作用などの基礎を化学や薬学の知識がない人にもわかりやすく解説。
例えば「地球上で最凶の毒は?」「青酸カリって舐めても大丈夫?」など、気になる毒の雑学とともに紹介します。
また、毒を持つハチ、カエル、クラゲなどの生き物やスイセン、アジサイ、トリカブト、カエンタケなどの植物やキノコ、アスベスト、ダイオキシン、火山ガスなど環境系の毒、
依存度が高いコカイン、危険ドラック、覚せい剤などの麻薬……etc.
人体に影響を及ぼすあらゆる毒を収録!
誰かに教えたくなる毒の最新知識や雑学が詰まった一冊です。
公開日:2025.03.10
