腎臓を守るには脂質とタンパク質を摂ろう
タンパク質摂取が腎臓を守る
腎機能が低下すると、タンパク質が代謝されてできる老廃物が腎臓から排泄されず体内に蓄積されます。そのため、腎臓病患者の食事療法にタンパク質制限が推奨されてきました。糖質を抑え、タンパク質や脂質を多く摂ると、腎機能の悪化を招く危惧された時期があります。
しかし、2013年以降、米国糖尿病学会は「タンパク質は無意味」としており、最近では、タンパク質摂取量の多い人こそ腎機能が保護れていたという論文が複数発表されています。腎臓機能のためのタンパク質制限は不要であり、肉や魚、卵といった良質のタンパク質はしっかり摂るべきということです。
タンパク質が不足すると、筋肉が衰え、死を招く可能性もあります。ただ、せっかくタンパク質を食べても、エネルギーが不足しては、摂取したタンパク質がエネルギーとして使用されてしまい、筋肉の衰えを防げません。三大栄養質は炭水化物に代わるエネルギーになります。腎臓を守るためにもたっぷり摂りたいものです。
すなわち、腎臓病を発症後も糖質制限は行うべきということ。ただし、高血糖以上に高血圧が腎臓に負担をかけると考えられています。塩分摂取は血圧への影響が大きいので、 控えましょう。
腎臓に負担をかけない食事とは
従来の食事療法
【タンパク質の制限】腎臓病のステージが進むと、脂身の多い肉は避けるなど、タンパク質の過剰摂取に注意が必要。
【控えめな脂質】肉の脂身や皮を避けたり、鶏ささみなど脂肪の少ない部位を選んだりして脂質の摂り過ぎに注意。
【炭水化物の摂取】脂質とタンパク質を控え、エネルギー摂取を確保するために炭水化物を積極的に摂る。
【塩分の制限】高血圧は腎機能低下を引き起こすため、1日の塩分摂取量は6g未満という制限がある。
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【タンパクOK】腎臓病にはタンパク質を控えたほうがよいというエビデンスがなく、むしろ積極的に摂るとよい。
【脂質OK】脂質の摂取量は心配しなくてもよい。質のよい脂質(=酸化していない)を摂るとよい。
【炭水化物の摂り過ぎに注意】脂質の摂取量は心配しなくてもよい。質のよい脂質(=酸化していない)を摂るとよい。
【塩分の制限】高血圧は腎機能低下を引き起こすため、1日の塩分摂取量は6g未満という制限がある。これは今も同じ。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』/著:山田 悟
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田 悟
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公開日:2024.07.17