「わかられますか?」じゃわからない!
顧客に応対しているときなど、こちらの説明を理解してくれたかどうかを確認するため、こんな言い方をすることがありますね。
「説明をさせていただきましたが、わかられますか?」たしかに「れる」「られる」は敬語のキーワードの1つです。これをつけると、それだけで敬語になってしまうことは少なくありません。例えば、「行く」→「行かれる」、「来る」→「来られる」、「話す」→「話される」、「泣く」→「泣かれる」、「会う」→「会われる」・・・・・・など、あげれば枚挙にいとまがないほどです。
「先日、パーティに行かれたそうですね。会場で弊社の〇〇に会われたと聞きました。△△様が話されたことがとても印象深かったと申しておりました」
このように「れる」「られる」だけを使っても、そつのない敬語の会話ができあがります。「わかられますか?」もその活用範囲の広さに期待した敬語づかいだと思いますが、これはちょっと悪かったようです。「わかるか?」の丁寧な言い方は、
「おわかりになりますか?」
「おわかりでしょうか?」
が適切です。
「わかられますか?」との違いは明らか。ビジネスシーンでは、その差が仕事における信頼度さえも左右しかねないのです。
「わかる」だけではありません。「れる」「られる」が拒絶反応を示すような語を上表にいくつか挙げてみましょう。
25ページで「お・ご+~になる」という敬語表現を紹介しましたが、ありがちなのがこの表現にさらに「れる」「られる」をつけて、敬意が過剰な二重敬語になってしまうケースです。
間違いやすい「れる」「られる」敬語
【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二
【書籍情報】
『頭がいい人の敬語の使い方』
著:本郷陽二
敬語は社会人にとって必須のスキルであり、適切に使いこなすことで人間関係を円滑にし、ビジネスの成功にもつながります。40万部超ベストセラーのビジュアル新版である本書『頭がいい人の敬語の使い方』は、日常生活からビジネスシーンまであらゆる場面で役立つ敬語の使い方をイラスト図解でわかりやすく解説しています。また、「間違いやすい敬語」や「すぐに使える敬語表現」といったトピックもカバーしており、他者と良好な関係を築くためのヒントが満載です。あらゆる場面で使える敬語力を身につけ、ワンランク上の“デキる大人”を目指しましょう。
公開日:2024.08.15