SPORTS COLUMN
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プロ野球ストーブリーグ2018(投手編)

Text:橋本雅生

投手陣は先発が大量移籍!?

プロ野球の戦力補強はトレード、ドラフト、助っ人外国人など様々だが、ストーブリーグ最大の見どころはやはりFA戦線だ。いくら有力選手を抱えていても、近年はメジャーに移籍するケースが増えており、各球団はストーブリーグで目玉になるFA選手の調査に余念がない。まずは投手陣の注目選手から見ていこう。

最注目は今や西武のエースとして先発陣を牽引する菊池雄星だ。15年から本格化した菊池は、昨シーズンに自己最多の16勝を挙げて最多勝と最優秀防御率の大躍進。今季は左肩の不調もあったが、最速158キロのストレートとキレ味鋭いスライダーで打者を圧倒する投球は磨きがかかり、3年連続の2ケタ勝利をマーク。現在では日本球界を代表する左腕にまで成長した。

そもそも菊池は幼い頃からメジャーに憧れ続け、ドラフト前には複数のメジャー球団と面談を持ったが、自分のレベルでは世界に通用しないと判断。西武に入団して誰もが認める上でメジャーに挑戦する青写真を描いていた。球団側も菊池の貢献度を高く評価しており、ポスティングによる移籍を認める方針だ。すでに大リーグ公式サイトはメジャー移籍の可能性を報じ、複数の球団が先発ローテ2番手候補として獲得に乗り出すと見られている。現在、西武は10年ぶりのペナント制覇に向けて邁進しており、優勝を手土産にメジャーデビューが現実となりそうだ。

ただ、メジャーの先発ローテは年間30試合登板、200イニングがノルマと過酷で日本での中6日登板とはいかない。さらに15勝前後の数字が求められるため、状態が良くない時でも悪いなりに試合を作る技術が求められる。もともと好不調の落差が激しいタイプの菊池だけにメンタル面の強化も必要になってくるだろう。順風満帆とはいかなそうな菊池のメジャー挑戦だが、ファンとしては大谷翔平や田中将大との対決が見たいところ。

オリックス西は争奪戦必至か

国内FA権を行使するかに大きな注目を集めているオリックスの西勇輝。デビュー当時はマウンドで笑顔を見せる「スマイル王子」の異名を取った西も今季で10年目。完成されたフォームから内角を強気に攻める右腕は、派手さこそないが円熟味を増し、長年ローテを守る先発として顔付きが鋭くなってきた。また、機敏なフィールディングと抜群の牽制力も健在で、FAを行使すれば争奪戦になるだろう。

早速動きを見せているのが巨人だ。西武からFAで移籍した野上亮磨は先発ローテから脱落し、田口麗斗などの若手も期待はずれ……。菅野智之以外に安定感のある先発がいない巨人にとって、2ケタ勝利が計算できる西は喉から手が出るほどの投手。ちなみに西は菅野に合同自主トレを志願する関係でもあり、本命の球団と言えるだろう。対抗は西が幼少期にファンだった中日。狙ったFA選手を多く獲得してきた中日だけに移籍の可能性はゼロではない。一方のオリックスは20年以上も優勝から遠ざかっているため放出は避けたいはず。豊富な資金力を武器に、金子千尋のような複数年契約+年俸大幅アップで残留する可能性もある。

選手がFA権を行使する理由は様々。理由の一つとして環境を変えて復活を目指す場合がある。そのパターンに該当するのがロッテの唐川侑己だ。鋭く曲がるスライダーとカーブを主体に緩急をつけた投球術でプロ1年目から活躍した唐川。だが、度重なるケガが影響してか、14年からの成績は悪化の一途を辿り、復活を期した今季も9月の時点でわずか1勝止まり。悩める唐川は千葉県出身でチーム愛を公言しており、FA移籍する可能性は低そうだが、人的補償がないCランクだけに興味を持つ球団は少なくないはず。

助っ人外国人では阪神のランディ・メッセンジャーが球団初のFA権を獲得。無尽蔵のスタミナで7度の2ケタ勝利を挙げ、4年連続で開幕投手を務めた頼れる助っ人は、来季から日本人選手扱いとなる。全球団が欲しがるほどの投手だが、メッセンジャーは残留を即決し、虎ファンは胸をなで下ろした。