SPORTS COLUMN
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猛牛の未来を照らす若き3選手の素顔

Text:遠藤玲奈

オリックス・バファローズ若月選手、岡崎選手、榊原選手トークショー

2018年12月25日、オリックス・バファローズファンにとってこの上ないクリスマスになりました。若月健矢選手、岡崎大輔選手、榊原翼選手によるトークショーが、東京:田町のSHIBAURA HOUSEにて開催されました。進行は、3人と親交のあるDJケチャップさんです。

選手も観客の皆様もスタッフも笑顔いっぱい、最高に楽しかった。以上。

…というのが正直な感想なのですが、それで済ますわけにもいかないので、もう少し詳しく、残念ながら来られなかった方にも熱気をお伝えできるようにリポートします。

当然、観客の大半がオリックスファン。ではあるのですが、中には3人以外の選手がいち押しという方もいらっしゃって、挙がった名前に皆が思わず笑い出す一幕も。和やかなスタートです。

若月選手と岡崎選手が花咲徳栄高校、榊原選手が浦和学院高校のご出身で、埼玉の強豪校という共通点があります。それぞれ当時のユニフォームを持ってきてくださっていて、高校野球ファンの方々から歓声が上がります。

ケチャップさんの計らいで、お三方それぞれと、またユニフォームやキャップなどのグッズとの記念撮影タイムが設けられました。長時間にわたる撮影の間、選手の皆様はにこやかにひとりひとりに対応なさっていて、全てのファンが感激、大満足の表情です。


捕手経験の積み重ねが打撃向上に

選手会長に就任することが決まった若月選手は、今シーズンでバッティングが向上したことについてお話してくださいました。誰よりも配球を考えているキャッチャーは本来打てるはずだと野村克也さんがよくおっしゃっているように、守備の時に考えていること、経験の積み重ねが、打撃にも生かせるようになってきたのではないでしょうか。
名投手の球を打てなかった時に、相手が喜びをあらわにしているのはかえって嬉しいと話していましたが、今後はますます簡単に抑えられない手ごわい打者になっていく予感がします。


ポジション争いに勝ち、唯一無二な存在に

岡崎選手は、来シーズンはさらに激しいポジション争いが待っていると表情を引き締めていました。ショート、セカンド、サード。これらのポジションの中で複数を掛け持ちすること、あるいは転向することの難しさは、プレー経験のない私には想像も及びません。近くだからできる、と安易に考えられるものでないということだけはわかりますが、柔軟に対応できてこそプロというご意見もあるでしょうし、ひとつのポジションを極めて唯一無二の存在になりたいという選手がいたとしても不思議ではありません。
150人の部員を擁する花咲徳栄野球部の主将を務めていたのですから、技術の高さ、意志の強さは折り紙付きです。どこにいてもその守備位置がぱっと華やぐような、岡崎大輔の色を印象づける活躍が期待されます。


自分の元気が周りを元気づける

ファンの皆様はご存じでしょうが、榊原翼選手は、初登板でひとつのアウトも取れないうちに5失点を喫し、無念の降板となりました。防御率無限大からの過酷な出発です。それでも、榊原選手はくじけません。次の登板で1イニングをしっかり抑えて防御率を45まで下げ、9月17日には初先発、5回無失点と好投しました。プロ初勝利が待ち遠しいですが、それは近い将来実現し、その後は弾みがついて勝ち星を増やし、防御率の数字はどんどん落ちることでしょう。
「元気でいることは大事。元気は周りの人たちも元気にさせるから」という榊原選手の言葉は、説得力を伴って私の胸に刻まれました。チームとしての緻密な作戦も、高度な技術論も大事ですが、ファンが長年待ち焦がれている優勝に近づくための原動力はきっと元気です。


西村新監督の下、新生オリックス・バファローズは力強く歩み始めます。若い3人の輝きがチームをどれだけパワーアップさせるか、目が離せない2019年になりそうです。

『ラブすぽ』ライター:遠藤玲奈
池田高校のやまびこ打線全盛期に徳島に生まれる。慶應義塾大学法学部卒業、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。選手としての経験はないが、独自の方法で野球の奥深さを追究する。特に気になるポジションは捕手。フルマラソンの自己ベストは3時間31分。

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