2022ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!中日ドラゴンズ編
立浪和義新監督のもと再始動した今季の中日だが、シーズン中盤以降は最下位が定位置になる苦しい1年に。長年の課題とされた「打力不足」は今も改善されておらず、ドラフトも含めた戦力編成の抜本的な見直しが求められる時期に差し掛かっている。
逸材は十分に確保済み!残るは育成プランの確立か
過去5年のドラフト指名を振り返ると、決して悪くはない。2018年は根尾昂、2019年は石川昂弥と、2年連続で競合選手を引き当てたクジ運も持っている。しかし、根尾は今季まさかの投手転向。石川も故障がちでなかなか1軍でプレーできていない。2年目のドラ1・高橋宏斗が覚醒気味だが、育成プランの確立は急務だろう。指名戦略だけでなく、チーム全体で「育成」そのものを見直す必要があるかもしれない。
平良竜哉/NTT西日本・内野手
●おすすめ指名順位は3位指名!
苦境の起爆剤になるのは、本塁打をあきらめない男
投手陣はハイレベルながら、野手陣が問題。そんな状況が何年も続いているが、なかなか苦境を打破できない。今年も強打者を獲得したくても、昨年のドラフトでかなりアンバランスな指名をしている。上位指名2人を含め、3人の大学生右打ち外野手を獲得。強打者を獲得するなら内野手にすべきだろう。ただし、これまで多くの逸材が中日に入団しては、伸び悩んできた。
今年の強打の内野手に、そんな歴史を打ち破れる人材がいるだろうか。そこで一人の「起爆剤」に行き着いた。平良竜哉(NTT西日本)である。中日で長らくスカウト部長を務めた中田宗男氏が、こんなことを言っていた。「どんな強打者を獲っても、いつしか広いバンテリンドームでプレーするうちにホームランをあきらめる瞬間がある」と。
ならば、ホームランをあきらめなさそうな平良を中日に投入してみてはどうか。身長170センチと小柄ながら、全身を振り絞るような大きなアクションのスイングで長打を量産する。ついた異名は「和製アルトゥーベ」。「毎日卵と豆腐を食べていたら足が速くなった」と語るような人並み外れた感覚も、頼もしさすら覚える。
社会人で走塁技術が飛躍的に向上し、盗塁を量産できる点も中日向きだ。平良は二塁手だが、中日にとって二遊間は喫緊の課題。京田陽太が首脳陣からの信頼を失い、根尾昂は投手に転向。土田龍空が台頭して希望を抱かせたが、彼と高い次元で競争できる選手、または近未来に二遊間を組める選手を獲得したい。
平良はギャンブル色の強い提案だったが、堅実なのは友杉篤輝(天理大)を2位で獲得して土田と近未来の二遊間を組ませること。スピード感溢れる内野手で、職人肌の仕事ぶりがかつての名手・井端弘和を彷彿とさせる。野性的な土田と理性的な友杉の二遊間は、中日の新たな名物になりそうだ。
こんな指名はNGだ!
いくら強打者が欲しくても、つぶしの利きにくい外野手を3人も獲った昨年のドラフトはアンバランスと評価せざるを得ない。岡林勇希がブレークしたことを考えても、スピード型の野手も積極的に獲得すべきでは。快足選手がバンテリンドームを所狭しと動き回る野球も魅力的なはずだ。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.16