2022ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!ソフトバンクホークス編
“絶対王者”としてプロ野球界に君臨していたソフトバンクだが、近年は主力が少しずつ高齢化。世代交代を図りながら、それでも優勝戦線に顔を出すのはさすがの一言に尽きる。圧倒的な選手層を構築してきた“ドラフト”で、今年も逸材獲得を狙う――。
“育成指名”から主力へ――伝統は継続されるのか!?
育成選手のフックアップにかけては他球団の追随を許さない。象徴的なのが2017年ドラフト。育成2位の周東佑京、同3位のリチャード、同4位の大竹耕太郎が1軍クラス、もしくは将来のレギュラー候補へと成長。一方、同年1位の吉住晴斗がすでに球界を去っているように、「本指名」からなかなか主力が生まれない逆転現象も起きている。
イヒネ・イツア/誉・内野手
●おすすめ指名順位は1位指名!
次代の遊撃レギュラーはスケール抜群の有望原石
何度もコロナ禍や故障禍に見舞われながら、厚い選手層で危機を乗り越えた戦いぶりは見事だった。近年のソフトバンクといえば素材型の高校生を中心にスカウトし、原石を3軍から鍛え上げてダイヤモンドに変えてきた。だが、ここ数年は「ポスト松田宣浩」を期して数多の素材型高校生を獲得しながら、思うように育たず。
昨年のドラフトで指名した大卒3年目の社会人出身・野村勇が、1年目から2ケタ本塁打をマークする皮肉な状況になっている。とはいえ、育成路線に大きな変化はないはず。今年は「ポスト今宮健太」のために、イヒネ・イツア(誉)の1位指名を提案したい。
イヒネはナイジェリア人の両親を持ち、身長184センチ、体重83キロの長身遊撃手。8等身のモデルのようなスタイルに、独特のリズム感でのゴロさばき。全身がバネでできているかの如く、走り姿やスイング姿に躍動感がある。本格的な歴史がまだ始まったばかりの原石で、荒々しく未知数な部分も多い。だが、スケールを損なわずに遊撃手として育てられれば、世界的な大選手になる可能性すら秘めている。
他にもソフトバンク好みの好素材として名前を挙げたいのは、投手なら速球派サイド右腕の安西叶翔(常葉大菊川)、野手なら身体能力抜群の古川雄大(佐伯鶴城)や海老根優大(大阪桐蔭)。いずれも高い将来性を秘めた大器たちだ。
一方で野村勇の活躍から、社会人で揉まれた実力派の価値も見直されるかもしれない。たとえば大卒4年目の速球派サイドハンド・船迫大雅(西濃運輸)や、大卒3年目にして最速155キロをマークして旬を迎えた小孫竜二(鷺宮製作所)など、プロでの投球が見てみたい社会人屈指の投手たちだ。実現すれば、26歳でドラフト指名されて沢村賞投手にまで君臨した攝津正のような例が再び起きるかもしれない。
こんな指名はNGだ!
「社会人の指名は目先の利益優先で、高校生の指名こそ長期スパンの王道だ」……というような一部メディアの論調など、無視すればいい。チームバランスを整えるためには、高校生も大学生も社会人も独立リーグもない。それぞれの特性を生かし、より強大な組織へと育ててもらいたい。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.09