12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【ドラフト査定/評価:B+】打線強化に全力ベット!ブライト健太は大冒険だ
打線強化が目下の課題の中日が一本釣りで獲得したのは、ブライト健太(上武大)だった。大学3年まではほぼ無名の存在だったが、今春、スタメンに定着するとリーグ戦14試合で打率・380、3本塁打と覚醒し、MVPを受賞した。ガーナ人の父を持ち、爆発的な身体能力の持ち主。6月の全日本選手権でも2本塁打を放ち、評価を上げたが、ブレイクを果たしたばかりで上にも下にもブレそう。それでも本格化を信じ、歩を進めるしかない。
鵜飼航丞(駒澤大)は182センチ100キロのスラッガー。力感なく打球を飛ばす技術があり、秋のリーグ戦では4戦連発。パ・リーグ本塁打王の杉本裕太郎(オリックス)が将来像によく挙げられる。大型だが動けるタイプで下手な外国人選手よりはしっかりレフトも守れそうだ。石森大誠(火の国サラマンダーズ)は今年からスタートした九州アジアリーグで36・1回、63奪三振を記録した剛速球左腕。最速155キロのストレートは比類なき威力で守護神になれる逸材だ。
4位・味谷大誠(花咲徳栄高)は正真正銘のバズーカ肩の持ち主で左打者としても高く評価されている。5位・星野真生(豊橋中央高)は高い守備力を持つ遊撃手、6位・福元悠真(大阪商業大)は智弁学園高時代から打力に定評があった外野手だ。6人中3人が即戦力外野手。焦点を絞ったドラフトだが、結果は果たして…?
【新戦力査定/評価:C】ガーバーは何だったのか!?ドラ2・森博人は好成績
近年は高校生重視のドラフトを展開している中日。ドラ1の髙橋宏斗は二軍戦14試合で0勝5敗、防御率7・01とまだまだ育成段階で一軍デビューは果たせなかったが、即戦力として日体大から獲得したドラ2・森博人は2軍戦試合で2勝2敗、防御率2・20の好発進を決めた。1軍では投手陣の充実もあって、10登板だけだったが、リリーフ陣の底上げに貢献しそうだ。その他、ドラ3の土田龍空も高卒新人ながら1軍で初安打を放っており、期待値は高い。
論外だったのは、中軸候補として獲得したガーバー。2019年に3Aで打率・308、26本塁打を放ち、パウエル巡回コーチの激推しで獲得したが、12試合で打率・156、0本塁打であえなく2軍落ち。2軍でも37試合で打率・217、1本塁打と凄惨たる成績を叩き出し、9月にはお払い箱で帰国した。アルモンテをしっかり残しておけば…と思わざるを得ない。
守護神候補のロサリオも2軍で打ち込まれおり、強いて上で重用する意味はなく、1軍では9登板でフィニッシュ。こちらも退団が決まっている。ロッテからトレードで獲得した加藤翔平はサブ要員止まりでカンフル剤にはなれなかった。
【セリーグ5位】中日ドラゴンズ
【2021シーズン成績】
55勝71敗17分
勝率 .437
得 点 405 ⑥
失 点 478 ①
本塁打 69 ⑥
盗 塁 60 ⑤
打 率 .237 ⑥
防御率 3.22 ①
柳裕也は防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。盗塁数は大島洋平の16が最多で次点が髙松渡の15だが、ともに失敗も多く、飛び抜けた走り屋が不在だった。8盗塁1盗塁死の加藤翔平あたりがスタメンに完全定着し、守りと機動力の野球を展開したい。
出典:『がっつり! プロ野球(30)』
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公開日:2022.03.10