2021ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!
楽天イーグルス編
開幕前に田中将大が復帰し、実績抜群の超強力先発陣を形成した楽天。積極的な補強もしっかりと実を結び、今季は優勝争いを展開している。投打ともにタレントはそろっているが、近い将来の「勝利」を目指すのか、中長期的な「常勝化」を目指すかで、指名戦略は大きく変わってくる。
次代のローテ候補は必須!今度こそ長距離砲育成を
先発陣の顔ぶれは球団で一番豪華な楽天だが、ゴールデンルーキーの早川隆久を除けば代が中心。ファームでは新人右腕の高田孝一が順調な成長を見せているものの、他に次世代で先発ローテーションを担えそうな勢いのある若手がいない。今年は小園健太(市和歌山)、風間球打(ノースアジア大明桜)、森木大智(高知)、達孝太(天理)の高校生4右腕の誰かを1位指名したいところだ。
とはいえ、昨年も育成選手を含め7人中6人を投手指名に費やしている。今年は2位以降の指名で野手補強もぬかりなく進めていきたい。
現在の主力打者の多くは左打者で、次世代のレギュラー候補と言える黒川史陽、武藤敦貴の高卒2年目コンビも左打者。右打者でレギュラーを狙える若手野手はオコエ瑠偉くらいしか見当たらない。高校生なら吉野創士(昌平)、有薗直輝(千葉学芸)、池田陵真(大阪桐蔭)。大学生ならブライト健太(上武大)、正木智也(慶應大)が候補に挙がってくる。
とくに注目は、今春の大学選手権でブレイクしたブライトだ。ステイバックの豪快なスイングから放たれる打球は、初速の爆発力が違う。自分の間合いに呼び込む術も持っており、プロの高次元の変化球に慣れれば本塁打を量産できるだろう。レギュラーになったのは4年春からで、守備面は実戦経験不足が否めない。とはいえ、走攻守に伸びしろがあるととらえたい。
楽天は近年、右の和製大砲を育成しようと内田靖人、岩見雅紀らを獲得してきたが、残念ながら成果は上がっていない。コーチングスタッフを含め、スラッガーを養成する環境は最適なのか、検証が必要かもしれない。
また、チーム全体で安心して遊撃を任せられる選手が少ない。もしレギュラーの小深田大翔が故障したら、とたんにチームバランスが崩れる可能性がある。峯村貴希(日本大)のような守備力の高い遊撃手がいると、いい補強になるだろう。打撃面が化ければ、将来のレギュラー候補にもなりうる。
こんな指名はNGだ!
投手も野手も主力は30代の選手が目立つ。逆に言えば、彼らが元気なうちに新時代を担えるだけの大物を育てておきたい。目先に囚われるのではなく、大化けを狙える高校生、大学生の素材型を指名すべきだろう。野手は左のアベレージ型が育ちやすく、右のスラッガー型が伸び悩む傾向をそろそろ打破したい。
おすすめ指名順位は2位指名!
●ブライト健太/上武大・外野手
出典:『がっつり! プロ野球(29)』
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公開日:2021.10.07