いつの時代もスピードは投手のロマンです!高校野球最速投手列伝
投手のロマンと言えば速球。プロ顔負けの速球を投げる球児が現れたら誰もが胸をときめかせることだろう。そんなロマンに彩られた球児たちを振り返る。
病み上がりでも記録更新
不屈の豪腕・寺原隼人
プロの選手でも150キロを投げる投手が珍しかった1990年代後半。松坂と新垣が150キロの壁を越えたとはいえ、高校生にとって150キロは神の領域ともいうレベル。そんな領域に到達する投手は向こう10年以上、現れないのでは?と思われていたが松坂、新垣が甲子園を沸かせた3年後の2001年に現れたのが寺原隼人(日南学園)だ。
3年春の時点で練習試合では150キロを超えていたという寺原を擁する日南学園は下馬評通りに夏の県大会を優勝。寺原にとって全国デビューとなった甲子園では1回戦から150キロ超えを2度記録するなど、噂に違わぬ大物ぶりを発揮したが、寺原が伝説になったのは2回戦の対玉野光南(岡山)戦でのことだった。
同点で迎えた5回裏に2番手として登板した寺原は6回裏に松坂、新垣の記録を軽く超える154キロを記録。ちなみにこの時のスピードガンは甲子園球場のもので、寺原の視察に来ていたメジャーのスカウトのものでは158キロを記録していたというまさに球史に残る1球となった。これを万全の状態で投げたのではなく、熱発から明けたばかりの病み上がりの状態で記録したのだから恐れ入る。
高校生投手“歴代最速投手”の変遷
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公開日:2021.08.27