12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【今季の課題】我慢強く若手投手を起用!道を拓く方法はただひとつ
率直に言えば、打線は何とかなりそうだが、投手陣の運用が今一つなのが気がかりだ。終盤の中4日、中5日を繰り出さざるを得なくなったのは、結局のところ、若手を我慢強く起用したり、テストしていないツケにも思える。3~4失点ですぐに先発を降ろしてしまう試合も多かったが、そうなると当然、ビハインド起用の中継ぎも疲労が溜まってくる。
ブレイクの機会をしっかりと与えられた若手が極端に少なかった印象は拭いきれない。 メルセデスやサンチェスも微妙な成績になってきており、新外国人を補強するならまずは先発か。野手の選手層は厚いので、各選手の上積みに期待。
久々の借金フィニッシュ。CSでは原監督の采配が冴え、阪神を退けたが、全体的には表裏一体のギャンブル性の高い采配だったことが明らかになった。来季も借金を作れば、監督交代論も噴出しそうだ。
【チームMVP/ウィーラー】チャンスで打てる頼れるムードメーカー
二冠王を獲得した岡本和真はもちろんだが、やはり挙げておきたいのは、助っ人のウィーラー。CSでは岡本が左脇腹を痛めて離脱したが、ファーストステージ初戦では3打点の大活躍を見せた。
シーズンを通しても得点圏打率.346とチャンスに強く、レフトもファーストも守った。ハッスルプレーに加え、明るい性格でベンチを盛り上げてくれる。味方が打てばベンチから飛び出してガッツポーズ。
正直、ちょっと湿っぽい巨人ベンチを明るく照らす存在だ。投手陣では32試合連続無失点の外国人記録を打ち立てたビエイラがチームMVP。8月にはNPB史上最速の166キロも叩き出した。
【チーム逆MVP/丸佳浩】かつての優勝請負人も最低限の仕事しかできず
2017~18年のセ・リーグMVP。広島時代から5年連続でチームをリーグ優勝に導いてきた丸だが、昨季は4月に新型コロナウイルスに感染し、出鼻をくじかれると、調子が上がらず6月5日に登録抹消。
最短10日で一軍に戻ってくると快音を連発し、地力を見せたが、五輪中断が明けると再び不振に陥り、 8~9月は打率1割台。10月にはまた復調したが、波の荒いシーズンになってしまった。
それでも118試合で打率.265、23本塁打、出塁率.365と最低限の仕事をこなしたのはさすがといったところ。ただ、本来はもっとやれる実力者。今季への期待を込め、あえて逆MVPに選出。
【セリーグ3位】読売ジャイアンツ
【2021シーズン成績】
61勝62敗20分
勝率 .496
得 点 552 ④
失 点 541 ④
本塁打 169 ①
盗 塁 65 ④
打 率 .242 ⑤
防御率 3.63 ④
前半戦で9勝3敗の好成績を収めた髙橋優貴だが、後半戦は2勝6敗。過密ローテが招いた悲劇といっても過言ではない。松原聖弥はチームトップの15盗塁を記録したが、盗塁死も7個あり、全体的に機動力は低調だった。
出典:『がっつり! プロ野球(30)』
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公開日:2022.03.04