体をつくり正常に機能させる原料
筋肉や内臓、血液、骨、皮膚、爪、髪の毛など、私たちの体の組織をつくる材料になる栄養素が「たんぱく質」です。全身の様々な機能を調節する「ホルモン」や、消化や代謝を促す働きをする「酵素」の原料としても使われています。
そのため、たんぱく質が不足すると、筋力が弱くなったり、肌や髪の新陳代謝が衰えたり、体の各器官の正常な機能が失われたりと、全身に悪影響が及びます。特に成長期の子どものたんぱく質不足は、筋肉や骨の発達の遅れや、成長ホルモンの分泌低下につながり、健全な発育が妨げられるおそれがあるのです。
このように重要な栄養素であるにも関わらず、たんぱく質は体内に貯蔵しておくことができません。そのため、毎日の食事から意識的にとる必要があります。一方で、たんぱく質のとり過ぎもまた体に害を及ぼします。たんぱく質の分解は肝臓で行われるため、とり過ぎることで肝臓に負担がかかります。
さらに、たんぱく質が分解されるときに発生する毒素を排泄するため、腎臓にも大きな負担がかかるのです。また、肉や卵、乳製品などの動物性たんぱく質のとり過ぎは、同時に脂質のとり過ぎにもなり、肥満や生活習慣病の原因となります。とり過ぎず、不足し過ぎずの適量を守ることが、たんぱく質摂取のポイントです。
たんぱく質はビタミンBとの相性がよい
ビタミンB6が豊富な食材
納豆、にんにく、ブロッコリー
たんぱく質が豊富な食材
魚、肉、卵、牛乳、大豆製品、乳製品
たんぱく質は、体の中に貯蔵できないので、毎日適量を摂取することが大切。ビタミンBと一緒に摂取すると、分解や合成がされやすい。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』著/牧野直子
『栄養素の話』はこんな人におすすめ!
・どの栄養素がどんな効果をもたらすのか知りたい
・健康的な食事をするための知識を身に着けたい
・ダイエットに効果的な食事を教えてほしい
以上の方には「図解 栄養素の話」は大変おすすめな本です。
みなさんは「栄養素」といえば何を連想しますか?
私たちの健康を維持するために必要な栄養素にはたんぱく質、炭水化物、ビタミン、脂質、ミネラル……など実にたくさんの種類があります。そんな中でも、まず知っておくべきことは栄養は「バランスが超重要」ということです。1種類だけでは、いくら栄養価が高くても、うまく体に吸収することは困難です。それは、栄養素が歯車のひとつひとつだとしたら、1枚では意味を持たず、全体がうまくかみ合って動き出したとき、大きな意味を持つことと同じです。
本書「図解 栄養素の話」では、そういった栄養素の働きをはじめ、栄養価が上がる調理法や栄養をロスしない野菜の食べ方、組み合わせたい食材など毎日の食事に役立つ情報も紹介しています。
炭水化物ってどういうもの?
食事の中には様々な栄養素が含まれていますが、その中でも特に重要な「炭水化物」について説明しましょう。「炭水化物」は、たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。体内でエネルギー源として利用される「糖質」と、消化されずエネルギーとして利用しにくい「食物繊維」からなり、これらを合わせて炭水化物と呼びます。よく炭水化物と糖質が同じ意味で使われることがありますが、厳密には炭水化物≠糖質なのです。
糖質はその構造によって、単糖類、二糖類(少糖類)、多糖類などに分けられます。このうち、ブドウ糖や果糖などの単糖類、ショ糖や乳糖などの二糖類を合わせて「糖類」と呼びます。糖質と糖類も混同されやすい言葉ですが、糖質という括くくりのなかに糖類があると考えるとわかりやすいでしょう。糖類のなかでもブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源であり、私たちの体に欠かすことができません。
炭水化物とは糖質+食物繊維
食物繊維の働きは、腸で余分な物質を吸着して体外へ排泄すること。水分を吸収して膨らみ、余分な糖質や脂質の吸収を抑える「水溶性食物繊維」と、水に溶けず腸を刺激し、便のかさを増やす「不溶性食物繊維」に分けられます。
人間は1日に摂取するエネルギー量のうち、 50~60%を炭水化物からとることが望ましいといわれています。食物繊維の摂取量は男性20g以上、女性18g以上が1日の目標です。健康的な食生活の目安にしましょう。
炭水化物以外の様々な栄養素については、本書でみっちりと解説しております。ぜひ手に取って読んでみてください。
シリーズ累計250万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ
「図解 栄養素の話」と銘打っているだけあって、図解がふんだんに使われています。
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』
著:牧野直子
シリーズ累計発行部数250万部突破の人気シリーズより、「栄養素」についてフォーカスした一冊。一口に栄養素といっても、その種類や働きは様々なものがあります。また、世間の栄養素に対する考え方として、何となく取らないといけないことは知っている、でもよくわからないし、自分も家族も気にしてないけど、病気になってないから別に栄養なんてどうでもいい、という人は多いと思います。しかし、年齢を追うごとに病院に行ってもよくわからない原因不明の不調などが出てきて、それが栄養不足や栄養過多から来ている、という事実は意外と知られていません。そして、薬では直せないものは栄養不足を解消する事で改善できる、という事が多々あります。そんな絶対に知っておくべき栄養の話を図解、イラストでわかりやすく紹介します。
公開日:2023.08.10