恩人
グラウンドで四分一さんを見つけ、「お久ぶりです」と声をかけた。四分一さんは満面の笑みで「監督元気だった?監督は今、何しているの?何故世田谷のセレクションにいるの?」と聞かれた。
私は現在北海道の学部で野球部監督している事を伝え、選手を集めている事を伝えた。是非とも、東京で無く、私に息子さんを預けて欲しいと頼んだ。彼は帝京高校では、それなりに投げている二番手投手であったが、力は十分ある選手だった。そして本人も北海道で頑張ってみたいと思ってくれた。
彼のように色々な私の人間関係で最初のスポーツ推薦学生が集まる事の基になっている。彼の他にも、私がとても親しくしていた農大野球部後輩の教え子たちのように、人とのつながりで出来た事だと思う。
ここで新しい事をやる時には、必ず犠牲は出る。遠のいていく人はいる。それでも指針を曖昧にしているとうまくいかない。自分の方針に沿って新しいものを作る意思のある者を集める。それが一番大切で、それがこれからの硬式野球部の礎を築く。
出典:『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方』著/樋越勉
『東農大オホーツク流 プロ野球選手の育て方』
著者:樋越勉
多くのプロ野球選手を輩出する北の最果て、北海道網走市にある東京農業大学オホーツクキャンパス野球部。恵まれた施設環境ではないにも関わらず、なぜ有力選手が育つのか⁉東農大学野球部のカリスマ、樋越監督の選手を見抜く眼力と、その育成術を紹介‼プロ野球選手の育て方、ドラフトへ送り込む手腕、練習環境の整え方などを、具体的に解説するプロ野球ファンや指導者必見の一冊。愛弟子の周東佑京のコメントも収録。
公開日:2022.02.05