ちょっと心配?「声変わり」
「大人の男の人は声が太くて低いのに、子どもは男の子でも声が高いなぁ」と、不思議に思ったことはありませんか。実際に、大人の男の人の声は、子どもの声よりも1オクターブほど低いのです。その理由は、成長するにしたがって、のどの奥にある声を出すための「声帯」という器官が長く厚くなるから。それといっしょに、のどの真ん中ぐらいにある「のどぼとけ」も、ボコッと出て目立つようになります。こののどぼとけが、目立つようになってきたら、声変わりの合図ともいえます。
早い場合では小学校高学年ぐらいから声帯が大きくなり、「声変わり(変声)」が始まって声が低くなります。ただ、声帯は大きくなっても発声を調節する筋肉の発育が間に合わないことが多いので、声がかすれたり、出しにくくなったりします。人によっては、まったく声が出せなくなることも。急に声が出なくなってしまったら、あせってしまいますよね。でも、大丈夫。これも成長のあかしのひとつだからです。
声が出しにくくなって低くなっていくこの時期を、「変声期」といいます。多くの場合、変声期は半年から1年ほど続き、本当に声が安定するまで3~4年かかるともいわれます。変声期の時期に無理に声を出そうとすると、声帯を傷つけてしまうので注意しましょう。
声変わり中にやらないほうがいいこと
- 長時間の会話をしない
- 無理に歌わない
- 大きな声を出さない
声変わり中、こんな困った&対処法
声変わりが落ち着いてから、前のように歌えない、高い声が出せないなどから、音痴になったと感じる人もいるかもしれません。声を出す感覚が変わったことを自覚し、少しずつ歌う練習をしてみましょう。
ちなみに、女の人にも声変わりはあります。ただし、女性の場合は声帯が少ししか伸びないので、声も2~3音しか変わらないことがほとんど。そのため、本人やまわりの人たちも気づかないことが多いのです。
ONE POINT
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子
【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子
男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。
公開日:2024.08.05