ケルト神話|不倫の末に太陽を止めるダグザ
息子オイングスは白鳥となって恋愛成就
頼りがいがあり、ユーモラスなダグザ。多くの恋人がいて、何人もの子どもがいました。
母であり、恋人のひとりだった川の女神ボアン。ボアンには夫がいましたが、ダグザの子どもオイングスを身ごもり、出産します。
次の日に戻る予定のボアンの夫にこのことを隠すため、ダグザは太陽を静止させました。そして、9か月間という長きにわたって時間を止めることに成功したのです。
こうして誕生した息子オイングスは、恋愛の神として成長します。容姿端麗なオイングスは、4羽のきらめく小鳥を連れていました。この小鳥は、人の胸に飛び込むことで恋の炎を燃え上がらせることができました。
オイングス自身も、駆け落ちする男女を助けたり、異母兄ミディールの恋愛成就に一役買ったりと、さまざまな活躍をします。
しかし、自分の恋心のコントロールは苦手だったオイングス。夢の中に現れた女性カエル・イヴォルベスに心を奪われますが、夢の中の人ではどうすることもできません。
恋の病にとりつかれたオイングスは、ダグザたちに助けられてカエルを探し出します。
白鳥の姿になることもあったカエル。オイングスはカエルを思うあまり、自分も白鳥に姿を変えてともに暮らすようになりました。
ボアン:アイルランドのレンスター地方を流れているボイン川の女神とされる。川の名前ボインはボアンに由来する。恩恵、肥沃の象徴でもある。
ダグザは女好きで子だくさん
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
監修:鈴木悠介 日本文芸社刊
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公開日:2025.02.02