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サッカーの試合が「カオスの縁」のような特徴を持つことで働く「自己組織化」とは!?【ダイヤモンドオフェンス】

Text:坂本圭

自己組織化が働くのはカオスの縁

サッカーの試合は「カオスの縁」のような特徴を持っている。試合のプレー状況は完全に無秩序ではなく、完全に秩序があるわけでもない。「カオスの縁」とは、近傍の秩序側にシステムがあるときであり、それはサッカーのプレー状況が秩序と無秩序の間の移行の空間にあることを示している。

サッカーは非常に複雑な状況が連続する非線形のスポーツであり、同じプレーは2度と存在しないが、目指すゴールと守るゴールがありプレーには方向性があるので完全な無秩序(決定論的カオス)の状況にはない。決定論的カオスの状況になるとシステムはランダムな動きを見せ、適切な秩序への道は閉ざされる。

自己組織化が起こるのは「カオスの縁」である。クラックと呼ばれる超一流選手が予測不可能なプレーをするのは、彼らが常に「カオスの縁」のアンバランスな境地にいて、反復の多い同じトレーニングに従わないからだ。クラックは非線形なアンバランスな境地である「カオスの縁」の住人であり、絶えず自己組織化し新しいプレーを創造することができる。クラックは常にプレー中に学習し、自己組織化することで、自動的に試合やトレーニング中に多くの「生きた記憶(プレーオプション)」を増やしていると考える。逆に、普通の一般的な選手は「カオスの縁」の現象が現れる試合の状況を設定したトレーニングが必要である。選手によって能力が異なるので、その選手やチームのレベルに適した試合の状況を作り出すことが重要である。

※「自己組織化が働くのは『カオスの縁』(秩序とカオスの境界線)近傍の秩序側にシステムがあるとき」(スチュワート・カウフマン 理論生物学者、複雑系の研究者)

※カオスの縁
振る舞いが秩序からカオスへ移るようなシステムにおいて、秩序とカオスの境界に位置する領域。(ウィキペディア)

出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』坂本圭

『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭

日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。

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