2021ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!広島カープ編
2016年からリーグ3連覇を達成した選手たちが徐々に高齢化し、世代交代を推し進めている広島。一方、ドラフトでは2年連続で即戦力投手の一本釣りに成功するなど、巧者ぶりを発揮している。生まれ変わりつつあるチームだけに、今年のドラフトでどんな選手を指名するかも注目だ。
ついに必要な右の強打者!中位~下位で大型右腕を
20歳前後の若手が続々と出現しており、世代交代が進む広島。来年はリーグ3連覇を知る中堅・ベテランと若手が融合すれば、セ・リーグの台風の目になるだけのポテンシャルがある。
昨年はドラフト2位で元謙太を指名するはずが、ウエーバー順で先んじるオリックスにさらわれて指名ならず。「右の強打者」という喫緊の課題が、いよいよ深刻化してきた。若手の右打者で近未来の主力候補と言えるのは、中村奨成くらい。今季大躍進した坂倉将吾、小園海斗、林晃汰はみな左打者で明らかにチームバランスが悪い。今年は上位で最低でも1人、全指名通しても2名以上の右打者がほしい。
上位指名するなら、有薗直輝(千葉学芸)と正木智也(慶應大)の二人が候補になるだろう。ともに右の大砲としての高い素養があるだけでなく、故障に強いという共通点がある。丈夫な体を持ち、厳しい練習に耐えられる選手を欲する広島好みの選手だ。
ことさら有薗を強く推す理由は、三塁守備も高い次元でこなせる点。投手としても最速148キロを計測するように肩が強く、意外と打球をこぼさないしぶとさも。もちろん、外野もこなせるはずで、本人は目指す選手像として鈴木誠也を挙げている。
下位や育成ドラフトで指名を検討したいのは、渡邉大和(高野山)、前田銀治(三島南)、柳澤大空(日大藤沢)、鵜飼航丞(駒澤大)。とくに柳澤はどんな厳しい練習にも耐えられる驚異的な体力の持ち主で、広島向きだ。
昨年はドラフト上位5人を投手で占めたとはいえ、依然として投手陣のやりくりは厳しい状況が続く。指名順位との絡みはあるが、ストレートに勢いがある椋木蓮(東北福祉大)、長谷川稜佑(青森大)、山﨑凪(中央学院大)、岡留英貴(亜細亜大)あたりはリストに入れておきたい。
今夏にいい状態を見せた市川祐(関東第一)、黒田将矢(八戸工大一)、京本眞(明豊)といった大化けの可能性が眠る大型右腕は、中位から下位指名で狙い目だろう。
こんな指名はNGだ!
練習できない選手はいらない。リリーフ専任投手は獲らない。補強ポイントに見合うだけの素材がいなければ無理に獲らない。そんな球団としてのNG方針があるのは広島の個性であり、矜持でもある。今年もスカウトが練習からせっせと通い、泥臭いリサーチで球団の文化に合う原石を見つけてもらいたい。
おすすめ指名順位は2位指名!
●有薗直輝/千葉学芸・内野手
出典:『がっつり! プロ野球(29)』
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公開日:2021.10.08