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千葉ロッテマリーンズの黄金時代へ。井口資仁監督が考える理想的なコーチとの関係性【監督の役割.3】

2021年シーズン。惜しくもリーグ優勝は逃したものの、日本一へ向けての闘いが続く千葉ロッテマリーンズ。その指揮官・井口資仁は、これまで監督としてチームを率いる上で、どんな思いを抱いていたのか。
開幕前、3月に上梓された書籍『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』からその一部を抜粋してお届けする。

お互いに厳しさを持った間柄

 たまに、監督が自分の右腕となるコーチ陣を、現役時代のチームメートや知り合いの顔ぶれで固めることに否定的な意見を耳にすることがある。おそらく、プライベートでも仲の良い間柄だと、どうしてもなあなあの関係に陥りやすく、良い結果を得られないのではないか……もっと厳しい関係性が必要なのではないか……そう危惧してのことだろう。

 現在のマリーンズでは、かつて僕のチームメートだった人にもコーチを務めてもらっている。しかし、僕は彼らが自分の知り合いだから、コーチ就任をお願いしたわけではない。僕の野球を理解してくれているから選んだのだ。

 もちろん、プライベートで遊びに行くような友人関係ではない。みんな、僕の意見に対して、自分の意見を持たないようなイエスマンたちでもない。実際、コーチ会議ではお互いの考え方を激しくぶつけ合うこともある。

 そういう人物だからこそ、僕も信頼することができるのだ。

 僕にとってマリーンズでともに戦うコーチ陣は、野球の価値観を共有できる仲間である。

「マリーンズ黄金時到来」という大きな目標に向かっていきながら、その過程においてお互いに厳しさを持ってより良いチームになるための方策を探していく。それが理想的な監督とコーチの関係性だろう。

出典
『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』著/井口資仁 日本文芸社刊
記事内容は21年3月の書籍出版時点のもの。

書籍情報
『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』
著者:井口資仁 日本文芸社刊

井口監督が目指す常勝チームの姿とは?
現役時代、大リーガーとしてワールドシリーズ制覇に貢献した千葉ロッテマリーンズ井口監督の改革と手腕に迫る。
ロッテは日本代表メンバーが選手にいないにも関わらず、2020年シーズン、2位を獲得した。
コロナ禍にも見舞われ、若手主体の戦いを余儀なくされた裏で、いったい井口監督は何を実行していたのか?
監督就任以来実行してきたコーチングスタッフの引き抜き、球場施設の整備・変更、練習内容の充実、選手の体調管理、フロントへの提言、ドラフトへの要望、若手の育成指導、ミーティングの進め方、試合分析などを完全網羅する。

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