今季でプロ5年目を迎える千葉ロッテマリーンズの背番号5・安田尚憲。プロ入り当初から「将来の主砲」と期待され、今季も6月24日からは4番での起用が続いている(7月14日時点)。8月に行われる「野球伝来150年 プロアマ記念試合」にもU-23NPB選抜の一員として出場する安田選手に、4番への意識や後半戦に向けての意気込みを聞いた。
構えが“ドシッ”と決まったことで
数字も上向いてきました
――プロ5年目の今季。シーズンの折り返し地点が目の前ですが、確実に状態が上向いてきているように思えます。安田選手自身の手ごたえは?
安田 4~5月に比べると打席の内容も良くなってきているのは実感できています。この感覚のまま、後半戦に向けてはさらに状態を上げていきたいですね。
――好調の要因は?
安田 技術的な部分で言うと、構えが“ドシッ”と決まるようになったこと。それと打つべきボールをしっかりと打てるようになったことが大きいですね。
――「構えがドシッと決まる」というのは、いわゆる始動の時点で収まりが良いとか、そういう感覚ですか?
安田 動き出しのタイミングで構えがしっかりと決まっているので、ボールの見え方もかなり良くなってきているなと。そういう意味でも「良い感じだな」とは思っています。
――逆を言うと、開幕からしばらくは構えがしっかりと決まっていなかった?
安田 「しっくりこないな……」という感覚はありました。それが5月の後半くらいから少しずつ良くなってきて、6月あたりから数字にも表れるようになってきたなと。
――「良くないな」ということは自覚したうえで、改善することができた。
安田 感覚の部分なので少し難しいですけど、自覚はありました。そこからなんとか状態を上げることができたので良かったですね。
――チームの状況を見ても安田選手の調子と比例するように、少しずつ上向いているように見えます。
安田 1試合1試合、チームが一丸になって戦えているなと感じます。シーズンはココからさらに大事な時期になってくるので、僕たち若手でチームを盛り上げて、それをベテランの皆さんに引っ張ってもらえるような戦いができればいいですね。
――チームの勢いみたいなものも感じますか?
安田 ロッカーの雰囲気も良いですし、去年と同じようにチームが一つに慣れていると思います。
期待だけで起用される年ではない
実力でポジションをつかみにいく
――今季は6月24日から4番での起用が続いています。昨年、この『ラブすぽ』で話を伺った際には「今は4番で“使ってもらっている”状態だから、将来は“4番は安田しかいない”という存在になりたい」と仰っていました。
安田 その気持ちは今も変わりません。今季はまだ4番で出させてもらってから時間もたっていないですし「4番目の打者」くらいの感覚です。ただ、今季はもう「期待」だけで使ってもらえる年ではないと思っているので、4番だけでなく試合に出ること、サードのポジションも実力でつかまなければいけない。そのためには数字でもアピールしていかなければいけないと感じています。
――プロ入りから現在まで、自身の成長は感じますか?
安田 一歩一歩ですけど、確実に成長できているとは感じています。当然、周囲の評価と違う部分もあるかもしれないですが、そこがあまりネガティブにならず、日々成長できればなと思います。
――優勝を目指すためには当然、安田選手の力が必要になってくると思います。自身ではどういう部分でチームに貢献したいと思っていますか?
安田 一番期待されているのはやはりバッティングだと思うので、勝負強さであったりチームから求められることに応えていきたいです。「点を取るバッティング」への意識はずっと持ち続けているので、そこは引き続き追い求めたいです。
――8月1日に行われる野球伝来150年 プロアマ記念試合ではU-23NPB選抜の一員として出場予定です。
安田 「U-23」というカテゴリではありますが、代表に選ばれたことは光栄ですし、出る限りは最大限のパフォーマンスを出したいと思っています。
――高校時代にU-18代表でともにプレーした清宮幸太郎選手や中村奨成選手、1学年下の藤原恭大選手らも選出されています。
安田 恭大とはプロでもチームメイトですし、清宮とは一軍の試合で戦うことも多いので、また同じユニフォームを着て戦えるのは楽しみです。ふだんマリーンズの試合を見ていない人に自分を知ってもらえる良い機会なので、名前を憶えてもらえるようなインパクトのあるバッティングを見せたいですね。
――ありがとうございます!シーズン、U-23代表での活躍も期待しています!
取材:2022年7月7日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ
公開日:2022.07.19