2022ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!埼玉西武ライオンズ編
前年最下位から優勝争いを繰り広げるまで躍進した今季の西武。“山賊打線”でリーグ連覇を果たした当時は極端なまでの「打高投低」だったが、今季は投手陣が奮起する逆転現象が起きている。このまま投手王国を目指すのか、打線強化にシフトするのか、指名戦略に注目したい。
近年は投手偏重ドラフト!そろそろ野手1位指名も!?
過去5年のドラフトのうち、4人の投手を1位指名で獲得していることからもわかるように、近年は明らかに「投手陣強化」がドラフトの課題だった。その成果は一定以上、出ていると言っていい。一方で、野手陣が手薄になったのも事実。中村剛也、栗山巧は大ベテランの域に入り、両者を含めた主力の後継者獲得は喫緊の課題。そろそろ「将来の中軸打者候補」の指名を目指してもいい時期に来ているのかもしれない。
奈良間大己/立正大・内野手
●おすすめ指名順位は3位指名!
不思議と西武に合いそう!野性と色気のある遊撃手
42年ぶりの最下位から一転、今季は優勝争いに絡んだ西武。ブルペン陣が劇的に整備されて安心感が出たのか、先発陣も好調という好循環。だが、打線は軒並み低打率に喘ぎ、タイムリー欠乏症に。新人左腕の隅田知一郎が好投しながら、1勝10敗と大きく負け越す遠因になった。
昨年のドラフトでは、左投手3人を含む4投手を獲得。今年は野手でウィークポイントを補いたい。西武には「強くスイングする」という文化がある。大化けしそうな強打者がひしめく反面、高打率を残せそうな打者が乏しい。強く振れた上で打率を残せそうな選手といえば、浅野翔吾(高松商)、内藤鵬(日本航空石川)、西村瑠伊斗(京都外大西)、矢澤宏太(日本体育大)、蛭間拓哉(早稲田大)あたりは自信を持って推薦できる。この中からドラフト1~2位で指名したい。
FAを取得した外崎修汰と、名手の源田壮亮による二遊間も30歳を超えてきた。滝澤夏央のようなホープも出現したが、さらなる後釜候補を揃えるべきだろう。そこでどうしても勧めたいのが、奈良間大己(立正大)である。
この選手を見るたび、不思議と「西武向きの選手じゃないか?」と思わされてきた。上背はないが、鋭く豪快に振り抜ける打撃。粗さもあるが、独特の華があるフィールディング。プレーから野性味と色気が漂う。何も根拠はないのだが、奈良間が西武のユニホームを着てみれば驚くほどしっくりくるだろうと確信している。肩力から考えると、二塁手として「ポスト外崎」になってくれたら御の字だ。
投手陣はトッププロスペクトである渡邉勇太朗の足踏みもあり、20歳前後の層に刺激がほしい。地方大学から好投手を連れてくる西武の伝統的に、立石健(福井工業大)、才木海翔(大阪経済大)、仲地礼亜(沖縄大)あたりがフィットしそうだ。
こんな指名はNGだ!
昨年のドラフトでは隅田知一郎、佐藤隼輔、古賀悠斗とドラフト1位クラスを3人も獲得できる僥倖。いい流れを踏襲し、ストーリー性のあるドラフトを展開したい。そのためには、本文中でも触れたように確実性を併せ持つ強打者にいくしかない。投手は素材型や一芸型で補うべきだろう。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.09