2022ドラフト12球団はこの選手を指名しろ!阪神タイガース編
まさかの開幕9連敗を喫し、結果的に優勝争いには一度も絡めずに終わった今季の阪神。ただし、12球団屈指の投手陣を筆頭に戦力そのものは決して悪くない。監督も交代する来季へ向け、今年のドラフトは球団の将来を占うモノになりそうだ。
近年はドラフト巧者に!今年はどんな指名を見せる?
かつては「育成下手」と揶揄された阪神だが、近年はドラフトできっちりと将来の主力選手を獲得している。近本光司、佐藤輝明、大山悠輔の「ドラ1クリーンアップ」や、藤浪晋太郎、西純矢、森木大智、才木浩人の「高卒ローテ」などは、かつての阪神では想像できない現象だ。過去5年を見ても、ドラフト1位選手がきっちりと育っているのが分かる。「ドラフト巧者」に変貌した阪神に、今年も唸るような指名を期待したい。
浅野翔吾/高松商・外野手
●おすすめ指名順位は1位指名!
常人離れした感性を持つ!浅野こそ阪神の新スター
毎年書いていることだが、大事なことなので何度でも書く。この球団は選手の技量以上にメンタル面を重視しなければ、スカウティングに失敗する可能性が高い。連日阪神について伝える熱狂的な在阪メディアと、時に温かく時に痛烈な野次を浴びせる阪神ファン。熱は局所的でも熱量が尋常ではないので、並の選手ならすぐに精神崩壊しかねない。今や地上波テレビ中継のほとんどなくなった巨人以上に、プレッシャーと戦わなくてはならない球団になった。活躍しているメンバーを見渡すと、佐藤輝明、近本光司、糸原健斗、岩崎優といった鋼のメンタルの持ち主に行き着く。
その大前提に立ち、補強ポイントを精査すると今年のドラフト1位は浅野翔吾(高松商)しかないのではないか。投手陣における現有戦力と若手の充実度は、12球団ナンバーワン。翻って野手陣は、20歳前後の右の強打者が井上広大しかいない弱点が浮かび上がる。1位で浅野を指名しつつ、2位以下でも右打ちの内野手を補強したい。
浅野は今夏の甲子園で3本塁打を放ち、高校生の目玉選手になった。身長171センチと上背はないものの、全身とバットをフルに使って飛距離を伸ばす。ストライクからボールになる変化球にピタッとバットの止まる選球眼、50メートル走5秒9の瞬発力も併せ持ち、高いレベルでの対応力も見込める。
そして何より、浅野の常人では測れない野性的な感性こそ、阪神向きだ。「飛ばし方は右も左も同じ」とスイッチヒッターに転向してみせたり、まったくタイミングが合ってないと思いきや突如甲子園の右中間最深部に放り込んでみせたり。高校のチームメートからは「人間じゃない」と評されるそうだが、それもうなずける。
いずれ浅野が阪神の超攻撃的1番打者に君臨したら、球団史に残る個性派として名を刻む予感がする。
こんな指名はNGだ!
左バッターにやや偏重傾向になるのは否めない。大学生では蛭間拓哉(早大)、澤井廉(中京大)、杉澤龍(東北福祉大)などに魅力を感じるが、大学生の左バッターが割って入るには戦力の重複は避けられなくなってしまう。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.16