プロ入り後、上位指名選手をごぼう抜き!?ドラフト下位指名からの下克上列伝
実力勝負のプロ野球の世界。スタートラインさえ違えど、己の体ひとつで成り上がった元隠し玉たち。ドラフト指名時にはあまり知られていなかったが、チームの主力に成り上がった男たちの下克上を紹介したい。
ブービー指名から本塁打王!ラストチャンスを掴んだ
【杉本裕太郎/オリックスバファローズ】
2015年ドラフト10位
昨季、30歳にして1軍に定着し、本塁打王をかっさらった「ラオウ」。彼もまたドラフト10位指名。その年の支配下ドラフトでは88人中87人目のブービー指名だった。青山学院大、JR西日本を経た杉本だが、どちらかと言えば一芸のロマン枠。売りは巨体とパワーの二本柱だった。
入団早々、神戸でのイチローの自主トレに参加し、打球の強さを褒められたが、1年目の2軍成績は48試合で打率・226、3本塁打。「練習番長」と言ってもいい微妙な成績だ。
しかし、杉本は研鑽を続けた。2019年には2軍戦78試合で打率・277、14本塁打、2020年には33試合で打率・370、3本塁打をマーク。同シーズンの8月、西村徳文監督の辞任によって、1軍に緊急昇格した中嶋聡監督が「一緒に1軍に行くぞ」と指名したのも納得の成績を収めている。
根源はイチローにもジョーンズにも物怖じせずにアドバイスを求める性格。今季はやや不調に陥っているが、プロと呼ぶに相応しい向上心で修正してくるはずだ。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
『がっつり! プロ野球 (32)』10月7日発売!
公開日:2022.10.24