プロ入り後、上位指名選手をごぼう抜き!?ドラフト下位指名からの下克上列伝
実力勝負のプロ野球の世界。スタートラインさえ違えど、己の体ひとつで成り上がった元隠し玉たち。ドラフト指名時にはあまり知られていなかったが、チームの主力に成り上がった男たちの下克上を紹介したい。
育成5位からの逆襲!二刀流から駆け上がる
【水上由伸/西武ライオンズ】
2020年育成ドラフト5位
今季、西武でセットアッパーとして大ブレイクを果たした水上由伸。育成5位から駆け上がってきた「育成の星」だが、その経歴は変わり種ともいえるだろう。
帝京三から四国学院大に進んだ水上だが、本職は外野手だった。1年春から4番・レフトの定位置を獲得すると、いきなりベストナインを獲得。全日本大学選手権にも出場し、2年春にはリーグ戦で首位打者とベストナインをダブル受賞。四国リーグを代表する好打者だった。
外野だけではなく、遊撃も守り身体能力抜群の男だったが、3年秋に突如投手に転向。高校時代は投手だったが、大学でも再転向後すぐに最多勝、最優秀防御率、ベストナインを獲得し、150キロを超える球速を披露した。
スカウトの目が届きにくい四国リーグ、さらに投手経験が浅いということもあり、育成5位の「様子見」だったが、水上は1年目の2020年5月には早くも支配下昇格。育成ドラフトでも全体最下位だった男は蓋を開ければ「化け物」だった。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
『がっつり! プロ野球 (32)』10月7日発売!
公開日:2022.10.30