センバツで優勝を経験しながらも、ワンプレーからイップスを発症。外野手としてプレーしていた大学時代に、思わぬことから復活。昨秋のリーグ戦では最速147キロもマークした投手。その名は元氏玲仁(もとうじ・れいじ:立命館大⇒20年4月から社会人野球)。
インタビュー第3回は、今後の野球人生に関して。
タイガース名スカウトが惚れ込んだセットアッパーとは?(別タブで開きます)
ワンプレーで狂った野球人生・元氏玲仁③「大学でプライドを捨てられた」
大学卒業後は軟式の社会人企業チームである「スリーボンド」に進むことが決まっている。軟式ではあるが、最速152キロを投げる森川祐至など実力派の選手が集う強豪チームだ。
かつては大野豊(元広島)が軟式の出雲市信用組合からプロ入りしたことがある。
元氏も「あわよくば」と控えめながらも、将来のプロ入りに意欲を燃やしている。
元氏が投げている姿を見て気になったのが投球フォームだ。高校時代に比べると、滑らかさを欠き、
ややぎこちないように見える。球速が出ているとはいえ、本人の中でどう感じていたのだろうか。
「多分、きれいに投げられることはもうないので、それなら今の投げ方でスピードを磨こうと思いま
す。ストライクが入って、変化球のコントロールがつけば、特に左バッターは怖いと思います」
入学当初は「プライドが高かった」と自認していた人間とは思えないほどの開き直りぶりだ。元氏
がこう考えるようになったのは立命館大での4年間が大きかったと話す。
「高校時代はイジられるキャラじゃなかったんですけど、こっちに入ってから、軽くイジられるよう
になりました。その環境で僕自身の性格も変わって、プライドもきれいに捨てられたのかな、と思い
ます」
ーー次回【龍谷大平安出身者にとっての「背番号25」】へ続く
(初出:【野球太郎No.033 2019ドラフト総決算&2020大展望号 (2019年11月27日発売)】)
取材/文:馬場遼(ばんば・りょう)
1994年生まれ、滋賀県出身。高校の野球部監督だった父の影響で野球を始める。中学時代には岩見雅紀(楽天)と対戦したことも。大学ではスポーツ新聞部に所属し、現在は野球、陸上などの専門誌に寄稿するフリーライター。
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公開日:2020.03.13
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