カロリーとは熱量の単位であり、食べ物を体のなかで燃やしたときに出る推定熱量のことです。カロリーのことがよく引き合いに出されるのは、単純に、わかりやすいからです。しかしながら、高カロリーのものを食べると必ず肥満になるわけではありません。
低カロリー食でも痩せない理由は?
「人はなぜ肥満になるのか?」。その原因についてWHO(世界保健機関)は、「肥満の根本原因は摂取カロリーと消費カロリーの不均衡にある」としています。つまり、食べ過ぎか運動不足か、あるいはその両方が、肥満の原因に関する定説となっているのです。しかし、これは栄養学から見た考え方で、人間の体の内側から見た生理学の観点からは間違っています。
そもそも、人はカロリーという熱量で動いているのではなく、食事から得た栄養素を細胞内に取り込み、熱エネルギーをつくり出して体温を保ち生きています。カロリーの不均衡が原因という理論が正しいのならば、日々、低カロリーを心がけている人が大勢いるのに、肥満が解消されないどころか、年々増え続けているのはどうしてなのでしょうか?
やはり、答えは1つです。肥満を解消するには、「脂肪を原料に熱エネルギーをつくる筋肉細胞を動かすこと。そして、より多くの脂肪が使われるように、筋肉細胞という燃焼工場に酸素をいっぱい送り込み、火力を上げること」なのです。
【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)
肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。
本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。
公開日:2020.03.31
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