背骨コンディショニングで頭痛・肩こりの予防・改善
仙骨のゆがみによる代償姿勢で起こる頚椎の変位に注意!
頭痛にはさまざまなタイプのものがありますが、検査をしても原因がわからない頭痛の場合、多くは頭蓋骨自体のずれ(微妙なので無視される)だったり、仙骨のゆがみによる代償姿勢からくる頚椎の変位が関係していると考えられます。
頚椎は重い頭を支えているだけに変位しやすく、変位によって脳から出て脊髄を通る脳神経・脳の血管が引っ張られ、痛みの原
因となるのです。さらに、偏よった噛みしめが側頭筋(こめかみの筋肉)を強く刺激して、頭蓋骨の中央にある蝶形骨(ちょうけいこつ)の片側に大きな力を加えずれを生じ、骨膜の痛みを起こすことによっても起こります。
ただ、頚椎のずれは圧迫による症状も多く、骨のずれから脳幹ごとのずれなどさまざまで脳神経の伝導異常にパターンがない場合もあります。
肩こりも頚椎の変位が原因です。筋肉の張りの原因となっている骨のゆがみと代償姿勢、そしてそれらを引き起こしている仙骨のゆがみを正すことが先決です。
【ゆるめる体操】首ねじり ストレッチ
頭痛・肩こりの予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操①
ゆるめる部位:頚椎
四つ這いになって床につけた首をねじることで、頚椎とそのまわりの神経をゆるめます。頭を直接床につけることによって、より強く頚椎に働きかけることができます。
首ねじり ストレッチ体操のやり方
【1】四つ這いになって両足のつま先を立て、両手を肩幅より広めに広げたら、両肘を90度に曲げ、頭を床につけます。
【2】片方のこめかみを床につけます。お尻を後ろに引いて頬を床につけたら、今度はお尻を前に出すようにしてこめかみを床に押しつけ、頭を上下に動かします。これを1往復とします。
首ねじり ストレッチ体操のポイント
両肘を90度になるように曲げたとき、肘を真っすぐ立て、後ろに倒れないように注意します。
首を上下に動かすときは、首や肩の様子(骨や筋肉、神経の動きなど)を意識しながら行います。
【ゆるめる矯正体操】首ころがし ストレッチ
頭痛・肩こりの予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操②
ゆるめる・矯正する部位:頚椎
額を床につけ、こめかみを中心に頭を左右にねじることで、より強く頚椎に働きかけます。「首ねじり」とセットで行うとより効果的です。
首ころがし ストレッチ体操のやり方
【1】四つ這いになって両足のつま先を立て、両手を肩幅より広めに広げたら、両肘を90度に曲げて床につきます。頭を下げて、額を床につけます。
【2】床につけた額を中心に首を横に転がすように倒して、こめかみを床につけます。つぎに、反対側のこめかみが床につくまで首を転がします。
首ころがし ストレッチ体操のポイント
両肘を90度になるように曲げたとき、肘を真っすぐ立て後ろに倒れないように注意します。
首を転がすときは、首や肩の様子(骨や筋肉、神経の動きなど)を意識しながら行うと効果的です。
【矯正体操】頚椎7番はめ ストレッチ
頭痛・肩こりの予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操③
矯正部位:頚椎7番
後方にずれた頚椎(後方変位)に働きかけて、首の土台となる頚椎7番のゆがみを矯正します。こぶしを重ねることで首の部分を意識しやすくして、より効果的に頚椎7番を中心にしたずれを矯正します。
頚椎7番はめ ストレッチ体操のやり方
【1】四つ這いになって両足のつま先を立て、両手のこぶしを重ねた上に、あごを前に出して乗せます。両肘を張り、できるだけ肩甲骨を寄せます。
【2】こぶしを強く押しつぶすようにあごを押しつけ、あごはこぶしにつけたまま、首を反らせるようにして上を向きます。
頚椎7番はめ ストレッチ体操のバリエーション
慣れてきたら、両肘を床から上げるようにして行いましょう。
ゆがみやすい頚椎の変形は多くの症状の原因となる
7つの頚椎の中でも1番上に位置する頚椎1番とその下の2番の腹側には、脳から出た脳神経が集中しています。そのうえ、5〜7㎏もあるといわれる重い頭を支えながら左右上下さまざまな方向に運動させるため、1及び2番は非常にゆがみやすいのが特徴です。
頚椎1番および頚椎2番がずれると神経が脳幹ごと引っ張られ、その先の器官でさまざまな症状が起こります。頭痛やめまいなど、頭や顔の症状のほか、自律神経失調症や不眠をはじめ、原因不明の不調の多くが、この部分のゆがみを矯正することで改善します。
また腕神経叢から出る神経は上肢に向かい、手指のしびれを起こすこともあります。
頚椎のゆがみからくる主な症状
頚椎1〜2
主に関係する神経
Ⅱ〜Ⅻ脳神経
関連する器官・部位
目、涙腺、舌、喉など目から腸までのあらゆる内臓器官
考えられる主な症状
目の疲れ、ドライアイ、血圧の異常、不整脈、不眠、偏頭痛、自律神経失調症、メニエール病、めまい、耳鳴り、難聴、顔面神経痛、味覚異常、唾液分泌異常、顎関節症、歯痛、甲状腺異常、三叉神経痛、首のこり・痛み、肩こり、親指・人差し指のしびれ、てんかん
頚椎1〜3
主に関係する神経
正中神経
関連する器官・部位
首、肩、腕、親指・人差し指
考えられる主な症状
目の疲れ、ドライアイ、血圧の異常、不整脈、不眠、偏頭痛、自律神経失調症、メニエール病、めまい、耳鳴り、難聴、顔面神経痛、味覚異常、唾液分泌異常、顎関節症、歯痛、甲状腺異常、三叉神経痛、首のこり・痛み、肩こり、親指・人差し指のしびれ、てんかん
頚椎4〜6
主に関係する神経
橈骨神経
関連する器官・部位
首、肩、腕、中指
考えられる主な症状
肩こり、腱鞘炎、中指のしびれ、弁膜症、狭心症、不整脈
頚椎7・胸椎1〜3
主に関係する神経
尺骨神経
関連する器官・部位
首、肩、腕、小指・薬指
考えられる主な症状
多汗症、小指・薬指のしびれ、鎖骨の痛み、自律神経失調症、呼吸障害
※解剖学と実際に矯正する箇所で相違があるところがあります。
頚椎の変位とは
後方変位・左右変位・左右捻転・左右斜転
背骨のゆがみには、骨が前後・左右にずれる「変位」と、左右どちらかに傾く「斜転」、ねじれる「捻転」があります。後ろにずれた場合は「後方変位」、右にねじれた場合は「右捻転」などといいますが、実際には捻転しながら変位をしている場合や、変位しながら斜転している場合など、複数のゆがみを抱えていることも多いのです。
そのため、椎骨の中を通る脊髄や、そこから枝分かれした神経根はさまざまな方向に引っ張られて伝導異常を起こしますが、引っ張られた神経や部位によって痛みやしびれなどが出る部位や症状も異なります。背骨コンディショニングでは、こうした背骨のゆがみを正すことで、痛みやしびれなどの不調だけでなく、あまり自覚症状のない不調も正すことが可能となり、健康な身体をつくります。
出典:『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング 仙骨のゆがみを整え、全身の不調を根本から改善する症状別プログラム』著/日野秀彦
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「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!
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気になる中身を少しだけご紹介!週に2回の筋トレで筋力アップ!
正しい筋トレ方法でないと効果は得られない
ゆがんだ骨を矯正しても、その状態を維持するだけの筋力がなければ、すぐにゆがんで症状が再発してしまいます。症状の解消には筋力をつけることが不可欠ですが、筋トレは、正しいやり方をしなければ効果がありません。「頻度」「強度」を正しく行うことが大切です。とくに、「強度」は重要で、少なくとも最大拳上重量(自分がギリギリ1回上げることのできる重さ)の50%以上の負荷(強度)が必要となります。大まかな目安として、最大拳上重量を100%MAXとすると、50%MAXなら15回、75%MAXなら10回くらいあげられる重さです。はじめて基礎トレーニングのバックキックやハイエルボーローイング(P74~77)の筋トレを行うときは、「ギリギリ10回はできるけれど11回目は無理」というくらいの負荷で行いましょう。
筋トレは、たくさん行えば効果があるというものではなく、強い負荷をかけて筋繊維を破壊しては、筋組織が再合成されることを繰り返して、筋肉を増やしていくものです。筋肉を使いきった状態(オールアウト)から疲労回復までの時間は24時間から100時間ほどで、筋肉の部位によっても異なります。バックキックで鍛える大殿筋のように大きな筋肉の場合は回復までの時間を考えて、週2回程度の頻度で行います。
トレーニングするときの注意事項
・正しいトレーニングフォームや目的部位を意識し、反動を使わないようにします。
・トレーニングを行っている間は、呼吸を止めないでください。
・トレーニング後はかならずストレッチを行います(トレーニング+ストレッチ=1セット)。
筋肉向上トレーニングの中・長期プログラム
筋力アップには、自分の筋力に合わせた負荷をかけて行うことが大切です。週2、3回のペースで、以下のプログラムに従って負荷を段階的に上げていき、効率的に筋力をつけましょう。同じやり方を続けると効果が出づらくなりますので2ヵ月ごとに刺激を変えて、効果を出し続けるようにします。
6か月で1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行います。
・ポジティブ:筋肉が縮みながら力を発揮する動作。
・キープ:筋肉が縮んだ状態で、動作を起こさず力を発揮する。
・ネガティブ:筋肉が伸ばされながら力を発揮する動作。
肩首の激痛・めまいの予防・改善「チンイン」
枕やクッションに頭を押しつけ、反発力を使って首まわりの筋肉を鍛えます。
柔らかい枕かクッションに頭を乗せて仰向けになり、あごを引きます。
あごを引いたまま、頭を枕に押しつけます。そのまま力を抜いて元に戻します。これを10回繰り返す。頭を枕に押しつけるときやストレッチを行うときは、肩を動かさないようにするのがポイントです。
ストレッチのやり方
①後頭部を覆うようにして、頭の後ろで両手を組みます。
②背すじを伸ばしたままあごを引き、30秒ほどキープし戻します。
トレーニング10回とストレッチ1回を1セットとして3セット続けて行う。
★ゆがみやすい頚椎の変形は多くの症状の原因に
★首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症の予防と改善
★足のしびれ・足裏痛の予防と改善
★頭痛・肩こりの予防と改善
などなど気になるタイトルが目白押し!
著者の日野さんは、フィットネス、アスリート、不定愁訴改善などさまざまな運動プログラムを開発・プロデュースし、全く新しい「背骨コンディショニング」理論を開発して、現在では全国で展開しています。これまで全国で30万人以上が、なかなか治らない病気や、原因不明の症状から救われ、「奇跡のプログラム」といわれるようになりました。今でも予約が取れず、プロアスリートや芸能人、女優やモデルさんも通うというプログラムを本書ではたくさん公開しています。ぜひ皆さまの健康に役立ててください!
【書誌情報】
『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング』
日野秀彦
「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。 本書は背骨コンディショニングの最新&完全版!痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!
公開日:2023.05.15