西舘勇陽 ドラフト1位入団
菊池雄星、大谷翔平に続け!超速クイック投法の使い手!
昨季、2年連続Bクラスに沈み、原辰徳監督が勇退。阿部慎之助新監督のもと「新生巨人」として再スタートを切る読売ジャイアンツ。目下の課題は昨季チーム防御率リーグ5位(3.39)に終わった投手陣の整備ですが、そこでキーマンになりそうなのがドラフト1位ルーキーの西舘勇陽投手です。
高校は菊池雄星投手(ブルージェイズ)、大谷翔平投手(ドジャース)を輩出した岩手県の花巻東。当時から2人の先輩に次ぐ「怪物候補」と呼ばれていましたが、故障などもあってその才能は完全に破壊化しませんでした。
しかし、中央大学に進学後、ストレートの最速が155キロまで伸びるなど急成長。昨秋ドラフトでは巨人と日本ハムが1位指名で競合。抽選の結果、巨人入団が決まりました。威力あるストレート以外にもスライダー、チェンジアップ、さらにはナックルと球種も豊富ですが、最大の特徴は独特の「クイック投法」にあります。
通常、投手は走者を許した場面で盗塁を防ぐため、投球モーションをコンパクトに、素早く行う「クイック」を使いますが、西舘投手の場合はランナーの有無にかかわらずつねにセットポジションから「クイック投法」で投球を行います。
今春のキャンプでブルペン投球を見ることができましたが、たしかに並んで投げるチームメイトと比較してもフォームそのものが「速い」!
通常はクイックで投げると球速が落ちるケースも見られますが、西舘投手の場合は違います。下半身からの連動で生まれる「上半身の回転力」がズバ抜けているので、ボールにしっかりと力が伝わっているのがブルペンでの投球からも見て取れました。
先発・リリーフともに適正はありそうですが、阿部監督は入団当初から「先発起用」を明言。しかし、巨人はクローザー候補の大勢投手が故障で開幕に間に合うか微妙な状況……。投手陣の顔触れを見ると、手薄なのはどちらかといえばリリーフ陣なだけに、勝ちパターンでの起用も十分考えられます。
高3夏には実現しなかった佐々木朗希との対決に期待!
また、プロ1年目ながら注目を集めそうなのが同郷・同学年の佐々木朗希投手(ロッテ)との対決。高校3年夏、大船渡高校のエースだった佐々木投手が岩手大会決勝戦で登板を回避したことはあまりにも有名ですが、実はあの試合、対戦相手の花巻東で6回から登板し、甲子園出場を決めた瞬間、マウンドにいたのがほかならぬ西舘投手なのです。
浅からぬ因縁を持つ西舘投手と佐々木投手ですが、奇しくも背番号は同じ17番。もしも交流戦で投げ合うようなことがあれば、高校3年夏にはかなわなかった「直接対決」が5年ぶりに実現することになります。
「巨人のドラ1」というプレッシャーはもちろんあるはずですが、高校、大学で着実に地力をつけ、「ドラフト1位」の評価を得た西舘投手。起用法や佐々木投手との対決など、ルーキーイヤーから見どころの多い1年になりそうです。