モンテッソーリ教育におけるあそびのポイント
POINT 1. 子どもの発達をうながす
子どもがやりたがったとしても、「発達をうながすあそびか?」どうか、大人が見極めましょう。発達をうながすあそびではないのに、子どもがやりたがるから毎日させるというのは、子どもが食べたがるからと三食お菓子を渡すようなものです。子どもがやりたがりそうな発達をうながすあそびを、目の届くところにいくつか用意するようにしましょう。
POINT 2. 割れるものを使う
モンテッソーリ教育では、お皿やコップはあえて「割れるもの」を使います。それによって、子どもはものが割れないよう丁寧に扱うことを身につけるからです。お皿を落として割ってしまったとしても、子どもにとってはミスではなく貴重な経験となり、「次はもっと気をつけよう」と慎重になっていくのです
POINT 3. 集中をうながすコツ
子どもは好奇心旺盛です。目に入るところにお気に入りのおもちゃがあったり、何かがいつもと違う場所に置いてあったりすると、気になって集中が途切れてしまいます。もし、子どもが集中できないようなら、子どもの席から何が見えるかチェックしてみましょう。どこかに気を散らせるものがあるのかもしれません。
POINT 4. 水を使う
子どもは水にふれることが大好きです。生活に必要不可欠なものだからこそ、子どもを水から遠ざけず、水をさわりたいという気持ちにこたえるあそびやお手伝いを用意しましょう。調味料を注いでもらったり、食器の予洗いをしてもらったり、おうちの中には水を使うお手伝いがたくさんあります。手が届くところにぞうきんを置き、「こぼしたときはこれでふくよ」と伝えておけば、水をこぼしても子どもは自分でふくようになります。
POINT 5. 家事に参加させる
ひとりで歩けるようになり、両手が使えるようになったら、子どもをどんどん日常生活に参加させましょう。日常生活には指先・身体を使うものから思考が必要なものまで、成長をうながすさまざまな要素があります。とくにお手伝いは、自分がやったことで感謝され、自己肯定感を育みます。きちんとできなくても口出しをせずに見守り、終わったら「ありがとう」と感謝を伝えましょう。
POINT 6. 間違いに自分で気がつく
「この文字さかさまだ」「5だと思ったけどもう一度数えたら4だった」「鏡を見たらボタンを掛け違えていた」。子どもが自分で間違いに気がつけると、それは自分を成長させる発見になります。そして、注意力、観察力、慎重さ、などが身についていきます。教えてあげる、注意するのではなく、自分で気がつけるように、確認のしかたを伝えましょう。
POINT 7. 敏感期を取り入れる
個人差はありますが、子どもには必ず敏感期(P.14)がやってきます。運動の敏感期ではあるけれど、どこを成長させたいのかな?全身運動かな?指先かな?言語の敏感期だけど、話したいのかな?文字を書きたいのかな?目の前の子どもが、今何に対して敏感になっているのかを観察してみましょう。そして、敏感期を取り入れたあそびを用意しましょう。本書では敏感期に応じたあそびをたくさん紹介しているので、ぜひ活用してみてくださいね。
【出典】『ゆる〜く楽しく続く!おうちモンテッソーリの知育遊びアイデア帖』監修:北川真理子
【書籍情報】
『ゆる〜く楽しく続く!おうちモンテッソーリの知育遊びアイデア帖』
監修:北川真理子
モンテッソーリ教育は、多くの教具や教材を使用し、子どもが自ら発見し学べる環境を提供する教育方法です。モンテッソーリ園では、異年齢の子ども同士の関わりも重視され、優しさや思いやりが自然に育まれます。しかし、家庭では教具を揃えるのが難しく、環境も十分ではありません。本書では、家庭でできるモンテッソーリ教育の要素を取り入れた知育遊びを紹介。特に指先を鍛える遊びが中心で、これにより将来の鉛筆や箸の使用に役立ちます。子どもが興味を示さない場合は、全身運動を取り入れてから再挑戦するのがおすすめです。本書が子どもの成長と自立をサポートする一助となることを願っています。
公開日:2024.07.05