思春期の性トラブルに対処する
スカートめくり、ズボン下ろし、カンチョー、金蹴り……これらはじつは、性暴力やセクハラのひとつといえるのです。
性器や性に関わる部分は、その人のプライベートパーツです。他人が勝手に触ったりしてはいけません。笑っていたけれど、イヤといえなかっただけで、じつは深く傷ついてしまっているかもしれません。
男の子によくあるのが、友達同士の下ネタ話。「あのアイドルの胸でぬける」「昨日は何回もオナニーしちゃった」という話をして、友達同士で盛り上がっていることもあるかもしれません。みんなで情報を共有するのは悪いことではありませんが、これも、聞いている相手がイヤだ、不快だと思っていそうだったら、遠慮するのがマナーです。
男の子の友達同士では、下ネタ話に参加してこないということで、ノリが悪いと決めつけたり、仲間外れなどのいじめにつながることもあります。
こんなとき、どうする?
本当は参加したくないのに、参加しない自分が悪いのではと感じる必要はありません。イヤだと思ったらはっきりと伝えたり、その場からそっと離れるなどの方法もあります。
「デートDV」という言葉は、交際相手からふるわれる暴力のことをいいます。好きな相手の要求だから、断れない、応えるのが恋人の務めと思ってしまうことがあります。無視する、非難する、コントロールしようとする、束ばくする、メールやアプリを勝手に見る、裸の写真を要求するなどはデートDVといえます。体への暴力、心への暴力、性的な暴力などがありますが、どんな事情があっても暴力をふるうということが正しいということはありません。暴力をふるわれる関係性は、恋人とはいえません。
ONE POINT
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子
【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子
男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。
公開日:2024.08.11