③メタバース インターネット上のもう一つの世界
メタバースとは、インターネット上のもう一つの世界(仮想空間)のことです。3 次元で構成されたメタバース空間の中で、自分の分身であるアバターを動かし、他者との交流を図ったり、商品売買やさまざまなことが体験できるようになっています。
パソコンやスマホでも接続できますが、専用のVRデバイスを使えば、CG で作られた世界や 実写映像を「その場にいるような没入感」で味わえます。注目されるようになったのは、2021 年にフェイスブックがMeta に社名変更したことが大きいでしょう。
コロナ禍でオンライン需要が増えたこともあり、この頃からメタバース市場に参入する企業が続々と増えたのです。現在はゲームやイベントが目立ちますが、今後は唯一無二のアイテムを作って売ったり、土地や絵画の売買など、対象範囲は拡大していくはずです。
商品やサービスを提供する企業側にとっては、仮想空間はECサイトよりも、さらに現実感のある商品展示や接客が行える魅力的な場ともなりえます。今後の成長が大いに期待されるゆえんなのです。
【メタバース=仮想空間】
「他社との交流を図る」←アバター→「商品売買などを体験できる」
【その場にいるような没入感を味わうことも可能】
企業側にとってメタバースは現実味のある商品展示や接客が増えるため、今後大いに注目される分野です。
4DX(Digital Transformation) デジタル技術やITデータの応用
DXとは、Digital Transformationの略です。
Transformationとは「変形」「変質」「変容」という意味で、日本語に置き換えると「デジタルによる変革」を意味します。
Transformationがしばしば Xと略されることからDigital Transformationの略語としてDXが定着するようになったのです。
電話や手紙といった通信手段をメールやチャットツールに置き換えてきたことは、IT化にすぎませんでしたが、DXはそれらをさらに効率化して強化するデジタル技術や ITのデータ活用を導入することを指しています。つまり、IT化は単なる「手段」ですが、DXはその未来に位置する「目的」となるもので、IT化は「量的変化」、DXはその先にある「質的変化」を意味します。
IT化は、既存プロセスの生産性向上でしたが、DXはプロセス自体を変化させることで、単に「作業時間が減る」「作成プロセスを自動化する」といったことだけでなく、顧客との接客方法そのものをデジタルを通じて根本的に変えることを志向するものなのです。
「電話」「手紙」→IT化→「メール」「チャット」
DX=IT化されたデータをさらに活用するのが目的
IT化=手段、DX=「目的」
【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』
著:神樹兵輔
経済社会は「価値の尺度」と「交換」に基づき、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。歴史的に見れば、江戸時代の日本では貨幣経済が発展し、物々交換から現金取引への移行が進み、一方でアメリカは金融政策や税制改革を通じて市場の豊かさを維持しました。近年では目的に基づいた合理的な行動が新たな価値を生み出す一方で、非合理的な選択も経済に影響を及ぼしています。「眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話」では、こうした経済社会のカラクリを解き明かし、市場の豊かさや人々の価値観がどのように形成され、どのように経済活動に影響を与えるのかを探り、この知識を通じて読者が豊かで充実した生活を送る方法を見つける手助けを目指します。
公開日:2024.08.28