あそび16:スイングキャッチ
こんな子におすすめ!
- バランスがうまくとれない
あそびかた
- 大人と子どもが向き合う
- 子どもが大人に向かって倒れこむ「せーの」
大人と子どもの2人で遊びます。子どもは大人の前に気をつけの姿勢で立ちます。大人は子どもの上半身くらいの幅をとって、前にひざ立ちでかまえましょう。子どもが大人に向かって、前にまっすぐに倒れます。倒れてきた子どもの肩あたりを大人が手で受け止めます。子どもは倒れこむときの揺れる感覚を楽しみつつ、大人に受け止められたときにしっかり固有感覚を感じます。
効果とねらい
- 揺れの感覚を楽しむ
- 姿勢をしっかり保持して、筋肉や関節の調節力を育む
- 大人との信頼関係を育む
注意点
- 足を固定して倒れるのがむずかしいときは、立ち位置を示す足型を用意する
- 子どもが怖がるときは、倒す角度をゆるやかにして無理をしない
あそぶときのアドバイス
子どもが足を床にしっかりとつけた状態で、姿勢を保持したまま大人に倒れこみ、大人が受け止める遊びです。倒れこむときのスリルとともに、揺れの感覚をしっかり感じます。受け止められたときは固有感覚がしっかり入ります。大人に受け止められたときに、しなやかに体幹をしならせながら、姿勢を崩さないようにすることがポイントです。
やってみたい気持ちはあるけれど、不安を示す場合は、あらかじめ手で肩を支えて倒れこませ、揺れる感覚を安心して楽しませましょう。
遊びをアレンジ
後ろ向きスイングキャッチ
子どもは後ろ向きで大人の前に立ちます。「せーの」のかけ声で後ろに倒れこみます。大人はその子どもを支えます。後ろに倒れる場合は、後ろの大人の準備が整ったことを必ず確認してからはじめるよう伝えます。
往復スイングキャッチ
子どもを挟んで大人が2人、前と後ろにかまえます。前に倒れた子どもは元の体勢に押し戻されて、今度は後ろに倒れます。前と後ろと順に倒れて前後の揺れを楽しみます。
ここからやってみよう!
前庭覚と固有感覚がしっかり入る遊びです。感覚欲求が強く体がソワソワ動いてしまい、落ち着きがない子どもが大好きな遊びです。腰が引けてしまうなど、姿勢が崩れてしまっても大丈夫。まずは、揺れを感じて楽しむことからはじめましょう。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.08.30