孫はジャパンカップを制覇
今週は、早くもJRA主催では今年初の2歳芝重賞「函館2歳ステークス」が行われる。毎年ここを勝って、翌年のクラシック戦線をリードする馬が現れるかというと、実はそうではない。
それには、大きく3つのことが要因としてあげられる。
①2歳の新馬戦が開始してから1カ月ちょっとしか経っていない。有力馬は、じっくり仕上げるため、もう少し後からの新馬戦に出てくるので、実力が1枚劣る。
②函館開催のため洋芝適正が必要。洋芝はパワーが必要となり、他の競馬場で使われている野芝は、スピードが要求されるので、クラシックではスピードが足りなくなる(洋芝100%使用は、北海道の函館競馬場と札幌競馬場のみ)。
③距離が1200mと短距離で行われる。クラシックは1600mが最低距離となるため、距離に対応出来ない。
大きくこの3つの要素のため、翌年のクラシックに全く繋がらない重賞となっている。
しかし、その中でも函館2歳ステークスを勝って、その後に名馬と言われるようになった馬も存在する。今回はそのうちの1頭を紹介しよう。
1985年の勝馬「ダイナアクトレス」
3連勝で函館3歳ステークス(現表記で2歳)を制覇。
翌年の牝馬クラシック桜花賞の前哨戦に出走するも、枠入りを嫌がりさらに枠内でも暴れてしまい、結果は最下位。
その結果、枠入り不良を理由に、JRAより1ヶ月間の出走停止と調教再審査を言い渡されてしまい、桜花賞に出走できなかった。続くオークスには、ゲート練習を入念に行い出走するも3着となる。
古馬に入ると1400mから1800mの距離に多く出走。京王杯オータムH(GⅢ)・毎日王冠(GⅡ)・スプリンターズS(GⅡ)・京王杯スプリングC(GⅡ)の4つの重賞を制覇。2年連続で最優秀5歳(現在の表記では4歳)以上牝馬に選ばれた。1988年の天皇賞(秋)での4着を最後に引退し、繁殖牝馬となる。
繁殖牝馬となってからは、ステージチャンプやプライムステージなどの重賞勝馬を輩出する。
さらに3番仔のランニングヒロインが繁殖に上がり、ジャパンカップ(GⅠ)を勝ったスクリーンヒーローを産むなど、孫の代まで活躍する馬を輩出した名牝。
今後長きに渡り、競馬界を賑わす馬の誕生となるか!?
出走は、7月18日 函館競馬場 11レース 15時25分予定。
公開日:2020.07.17