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外国籍に負けないフィジカルとBリーグを代表するスコアラー! 日本代表、三遠ネオフェニックスの吉井裕鷹! 〈Bリーグスター選手ガイド⑩〉【バスケ】

Bリーグスターガイド⑩ 吉井裕鷹

今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。そこで『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介する!

吉井裕鷹
三遠ネオフェニックス
背番号:10

バスケットボールに関わらず、プロスポーツでは「移籍」を機に一気に飛躍する選手がいます。吉井裕鷹選手も、そんな一人。パリ五輪日本代表での活躍を経て2024‐25シーズン、アルバルク東京から三遠ネオフェニックスへと移籍し、開幕から躍動しています。

大阪府出身の吉井選手は大阪学院大高校時代にU19世界選手権日本代表候補に選出されるなど、早くからその素質を注目されている選手でした。大阪学院大へ進学後は1年時から主力として活躍。2年時には大阪エヴェッサに特別指定選手として加入すると、3年時にはA東京に練習生として参加。卒業後もA東京都プロ契約を結び、昨シーズンまでプレーしました。

196センチ、94キロという恵まれた体躯と強いフィジカル、豊富な運動量を武器に3~4番(スモールフォワード~パワーフォワード)までこなせる貴重な日本人選手として常勝軍団のA東京で活躍しましたが、プレータイム自体にはなかなか恵まれず、昨シーズンは55試合に出場しながら1試合平均出場時間は10:50。同ポジションに強力な外国籍選手がいたこともあり、本来の資質を存分に発揮するとまではいかなかったのが現状です。

ただ、能力そのものは高く評価されており、2022年7月のFIBAワールドカップ予選で日本代表公式戦初出場。今夏に行われたパリ五輪にも選出され、スターターも経験。日本代表のトム・ホーバスHCも「もっともっとBリーグ(のチーム)も使ってほしいな」とコメントするほどの活躍を見せました。

パリ五輪では特に献身的な守備でチームに貢献。3戦全敗で敗退となったチームの中でもきらりと光る存在感を発揮。そして今シーズン、吉井選手はA東京から三遠へ移籍を果たし、開幕からリーグトップレベルの活躍を見せています。

開幕14試合を終えた時点で、全試合にスターターとして出場。ちなみに、昨シーズンのスターター出場は2試合のみでした。開幕3戦目のシーホース三河戦では豪快なダンクを決めるなど20得点3リバウンドと躍動すると、以降もコンスタントに2ケタ得点をマークする活躍を見せ、ここまで平均12.4得点、1.6アシスト、3.3リバウンドとキャリアハイ更新は間違いないペースで数字を積み上げています。

特に注目したいのがシュート成功率の高さです。フィールドゴール成功率は62.5%、試投数は決して多くありませんが、3ポイント成功率も驚異の52.8%(36本中19本成功)を誇り、完全にリーグを代表する日本人スコアラーへと変貌して見せました。

11月から行われているFIBAアジアカップ2025予選にも日本代表として出場し、チームの主力としてプレー。攻守にわたってハイパフォーマンスを見せてくれています。

NBA挑戦中の河村勇輝選手や日本代表で長年司令塔を務める富樫勇樹選手など、「小柄でスピードのある選手」ではなく、フィジカル面でも外国籍選手と渡り合える吉井選手のような存在が生まれたことで、日本代表の戦い方の幅はさらに広がったと言えます。また、Bリーグにおいても、これまで外国籍選手が担ってきたような役割を吉井選手がこなすことで、チームの外国籍選手枠の使い方や起用法にこれまでとは違う選択肢が生まれていると言っていいでしょう。

事実、吉井選手が加入した三遠は「最激戦区」と呼ばれるB1中地区で12勝2敗と首位を快走。ちなみに、その三遠に勝率で並んでいるのが吉井選手の古巣・A東京です。まだシーズンは序盤ですが、ここから中盤、そしてチャンピオンシップ争いが激しくなる終盤と、吉井選手擁する三遠と古巣・A東京の「因縁の対決」も注目したいところです。

日本代表の主力に成長し、Bリーグでも飛躍を見せた吉井裕鷹選手のプレーに、ぜひ注目してみてください!

文・花田雪

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