Bリーグスターガイド⑫ ジャック・クーリー
今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。そこで『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介する!
ジャック・クーリー
琉球ゴールデンキングス
背番号:45
Bリーグには「外国籍選手」の登録枠が設けられており、その活躍がクラブの成績と比例すると言っても過言ではありません。過去にも多くの外国籍選手がBリーグを舞台に世界レベルのプレーを見せていますが、“現役最高クラス”のパフォーマンスを発揮し続けているのが琉球ゴールデンキングスのジャック・クーリー選手です。
クーリー選手は身長206センチ、体重115キロのセンター。2013‐14シーズンにトルコでプロとしてのキャリアをスタートさせ、NBAでもプレー。スペイン、ドイツ、イタリアなど欧州リーグでのプレーも経て2019‐20シーズンから琉球にやってきました。
来日1年目からゴール下の番人としてチームに貢献し、40試合の出場で平均18.4得点、13.3リバウンドをマーク。いきなりリーグのリバウンド王に輝きます。ちなみにクーリー選手は昨シーズンまで、このタイトルを計3度獲得。これは現時点でBリーグ歴代最多記録となっています。
最大の特徴はやはり、サイズとフィジカルを活かしたゴール下の強さ。シュートレンジは決して広くなく、いわゆる“クラシカルなセンター”と言っていいプレースタイルですが、ゴール下で献身的に体を張るその姿は“日本一熱い”といわれる琉球ブースターからも絶大な信頼を寄せられています。
また、クーリー選手の存在はチームメイトにも大きな相乗効果をもたらしています。彼がリバウンドをもぎ取ってくれることで、琉球のシューター陣は自信を持ってシュートを放つことができる――。「もし外しても、ジャックが取ってくれる」そんな信頼があるからこそ、琉球の攻撃の幅が広がると言っていいでしょう。
優秀な外国籍選手にはそれだけ多くのオファーが届くため、ひとつのクラブに長く在籍するのは非常に“レアケース”ですが、クーリー選手は今シーズンで在籍6シーズン目。プレーはもちろん、言動も含めつねにクラブを、そして沖縄という土地をリスペクトする姿勢が垣間見られ、それもまたファンから愛される理由のひとつです。
今シーズンも開幕から不動のセンターとしてスターター出場を続け、コンスタントに2ケタ得点&リバウンド(ダブルダブル)をマーク。地元・沖縄出身の岸本隆一選手とのコンビは、「キングスの象徴」と言っていいでしょう。
2022‐23シーズンにBリーグ王者に輝いた琉球ですが、今シーズンは多くの主力選手が移籍。そんな中でも、クラブはクーリー選手との契約を延長しました。これもまた、最大限の評価の証と言っていいかもしれません。
33歳となった「琉球の大黒柱」のプレーはいまだ衰え知らず。ゴール下を支配するジャック・クーリー選手のプレーを、ぜひその目に焼き付けてください。
文・花田雪
公開日:2024.12.05