TUBCが誇るシューター、徳川慎之介選手＆今林萌選手の特別対談 第1回

国内プロバスケットボールリーグ・BリーグのB3で来季のB2昇格争いで今シーズン、好調をキープしているのが参戦3年目を迎えている東京ユナイテッドバスケットボールクラブ（以下TUBC）だ。20試合を消化した時点で18勝2敗、勝率.900という数字を残し、プレーオフ圏内のリーグ2位。悲願のB3優勝、B2昇格へ向けて最高のスタートを切ったと言っていい。今回、『ラブすぽ』ではそんな好調TUBCを支える德川慎之介選手、今林萌選手の2選手による対談を実施。ここまでの戦いぶりからシーズン終盤への意気込みを聞いた！
【全3回の第1回】

――B3参戦3シーズン目を迎えた今シーズン。開幕から好調をキープできていると思うのですが、ここまでの手ごたえを教えてください。

德川　チームとしてやりたいことが一貫してやれている部分があって、その中で出てきた課題や改善点もしっかりとクリアしながらやれているのが、結果につながっているんだと思います。

――どんな部分を改善できていると感じていますか？

德川　ディフェンス面で言えば、僕たちがやっているフルコートで相手にプレッシャーをかける部分で求められる選手一人ひとりの連動性や動きそのもののクオリティ・判断が、ゲームを重ねる中でブラッシュアップできているのかなと。オフェンスに関して言えば、新しく入ってきた選手たちに自分たちのやりたいバスケをしっかりと落とし込めている実感があります。

――ケミストリーの部分で、シーズン開幕後もどんどん成熟できている実感がある？

德川　そうですね、少しずつですけどやれていると思います。

――今林選手はいかがでしょう。

今林　チームの中でしっかりと「共通理解」を持てているのが大きいと思います。コーチからも「ウチはディフェンスのチーム」という言葉をよく聞くんですけど、そこも含めて昨シーズンからいる選手、新しく入った選手がみんな、同じ意識を持ってコートでプレーできていると思います。

――結果が出れば、チームの雰囲気も良くなりますよね？

德川　メンバーでしっかりとコミュニケーションも取れているし、雰囲気はすごく良いです。ただ、僕らは決してずっとトップを走ってきたチームではないので、練習の中でもしっかりとプレーオフを見据えた取り組みをしなければいけない。そういう面では「まだまだ」と感じることもあります。今は結果がでているけど、極端な話ここから全敗する可能性だってある。そういうことも踏まえたうえで、チームの雰囲気、練習や試合に臨む姿勢は崩さずにやっていきたいです。

――開幕前に橋爪純ヘッドコーチにお話を伺った際、まさに今、德川選手がおっしゃっていた「プレーオフを見据えた戦い」のことを話してくれました。そういう部分はチームにも共有されているんですか。

德川　シーズンが終わったときに、どんなチームになっているかがすべてだと思っているんで。僕自身、ここまで5年連続でいろいろなカテゴリのプレーオフを経験してきて、どういうプロセスでそこにたどり着けるかが重要なんだということは実感しています。

今林　HCからも1試合40分じゃなくて、2日間＝計80分をどうやって戦っていくのかという話をよくしてもらいます。プレーオフは連敗したら終わりなので、まずはそこだけは避ける。そのうえでどうやって連勝できるのかをトータルで考えながらシーズンを戦うことが、その先のプレーオフにもつながっていくのかなと。もっといえば試合以外の日も含めた1週間の使い方。そこをどう過ごすかでプレーオフまでの心構えも変わってくると思うので、意識はしています。

――日本人選手に関しては、プレータイムもかなり均等に割り振られている印象を受けます。そのあたりも橋爪HCから何か共有されているのでしょうか。

德川　もちろん試合の中での調子の良し悪しやファウルトラブルの影響はあるんですけど、その中でほとんどの選手が同じようなプレータイムを与えられている実感はあります。逆を言えば、誰が出ても同じクオリティを確保する必要もある。僕らは誰かひとりに依存するようなチームではないので、誰かの調子が悪くても誰かがしっかりとそこを埋める。そういう意味でチーム全体が同じベクトルでやれていると思います。あとは、ハードに動くぶん、誰かひとりが長い時間プレーすることがむずかしい、という面もあると思います。その意味で、誰がどのくらい出るかはしっかりと共有されているので、選手一人ひとりも与えられたプレータイムでしっかり動いて、100パーセントを出し切るという意識は強いと思います。

今林　プレータイムが均等なぶん、もちろん、昨シーズンより短くなった選手もいるんですけど、ワンポゼッションにおける出力は昨シーズンよりも出せている気がします。選手としてもしっかり「決めごと」があるので、すごくプレーしやすい環境でやれています。
【第2回へ続く】

写真・TUBC提供
文・花田 雪